光の多様な属性(強度,位相,周波数,偏光,干渉性など)を利用した光計測技術は,非常に広い分野で利用され,その進展が著しい。とりわけ,光ファイバをセンサとした分布センシングは,他の手段では実現困難な,広範囲に分布した物理量の測定が可能な技術であるため,その研究開発が活発である。実際,センシング原理の探求などの基礎的研究や,それを利用した,橋梁,ビルに代表される大型構造物の健全性評価に関する応用研究の成果が,近年数多く報告されている。
本特論では,これらの光計測システムに関する最新の技術動向と研究状況を紹介するとともに,光ファイバ分布センシングの極限性能実現技術と応用技術について論じる。