電子・情報産業の急速な進展に伴い、これを支配する半導体材料を中心とした種々の電子・磁気系デバイス材料の革新的な開発は急務となる。21世紀を目前に控え、非平衡プロセスを用いた、既存概念にはない新たな物性を探る試み、例えば、宇宙環境を利用した物質創製実験などは、今後益々重要な課題になるものと考える。本講義においては、特に新物質ならびに新物性探索を目的とした、宇宙環境などの極限あるいは未知なる環境を利用した新たな機能性デバイス材料創製に対する指針を与えることを目的とする。また、次世代3次元デバイス材料として期待されている『球状単結晶Si』あるいは『希土類−遷移金属系磁気系非平衡相』創製に対し、電磁浮遊溶融プロセスを用いた、無重力実験および地上でのシミュレーション実験についても講義し、幅広い視点から機能性デバイス材料創製に対する学問の修得を目指す。具体的講義内容を下記に列記する。
1.電子系デバイス材料
2.磁気系デバイス材料
3.物質創製研究の背景と概要
4.物質創製に対する現状の理論
5.無重力環境を利用した半導体デバイス材料創製実験の概要
6.無重力環境を利用した磁気系非平衡デバイ材料創製実験の概要
7.電磁浮遊溶融プロセスを用いた半導体Si創製研究
8.電磁浮遊溶融プロセスを用いた半導体Siの過冷度と結晶成長機構
9.無重力環境を利用した半導体Siの球状単結晶実験
10.新たな物性探索に対する学問的背景
11.非平衡プロセスを利用した物質創製研究
12.レポート課題