4M605000

流体工学特論

Fluid Mechanics 1

開講部

大学院理工学研究科 修士課程

開講学科

機械工学専攻

開講学年

1年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

特修

系列区分

特論

講義区分

講義
教授岡本史紀

科目英語名称

Fluid Mechanics 1

授業内容

流体の運動、つまり流れは一見複雑で取り扱いにくいように見えるが、流体を連続物質と考えて、数理的に整理して観察すると、以外に美しく規則正しく流れている。ここでは流れを数理的に調べる典型的な一例として、理想流体の流れから扱ってみる。次に理想流体からNavier-Stokesの運動方程式を基軸として非圧縮性粘性流れへと進み、最も簡単な流れにのみ得られる数少ない解析解の紹介を行う。さらに航空学で有名なPrandtlの境界層近似として知られているNavier-Stokesの運動方程式の簡略化について述べ、乱流の問題にも境界層をその代表例として取り上げ、従来報告されている実験式等の紹介を行う。最後に混合長理論、Prandtlの第2仮設を用いて自由乱流について述べる。

授業計画

1.理想流体のポテンシャル流(1)(速度ポテンシャル、流関数、複素ポテンシャル)
2.理想流体のポテンシャル流(2)(円柱まわりの流れ、渦対の流れ、渦列)
3.Schwarz−Christoffel変換の応用(Schwarz−Christoffel変換、溝内の流れ)
4.平面壁に直立した平板を過ぎる流れ(1)(写像関数、流線、静止渦)
5.平面壁に直立した平板を過ぎる流れ(2)(圧力分布、抗力係数、平均抗力)
6.非圧縮性粘性流(1)(平行平板間の定常流れ、Couette流れ、Hagen-Poiseuille流れ)
7.非圧縮性粘性流(2)(2重管内の定常流れ、円形でない断面をもつ管内の流れ)
8.物体まわりの遅い流れ(球のまわりの低速流、Stokesの式、Oseenの解)
9.平板に沿う層流境界層(1)(Blasiusの厳密解、平板の摩擦抵抗)
10.平板に沿う層流境界層(2)(運動量方程式、Pohlhausenの近似解)
11.乱流(1)(Prandtlの混合長理論、混合長、壁法則、粘性底層)
12.乱流(2)(乱流境界層、平板の摩擦抵抗、遷移を伴う平板の摩擦抵抗)
13.自由乱流(1)(自由乱流、噴流、後流、自由噴流境界、Prandtlの第2仮設)
14.自由乱流(2)(2次元乱流噴流のGoertlerの解、自由噴流境界のGoertlerの解)
15.自由乱流(3)(2次元乱流後流、円形乱流後流、単一物体後方の二次元後流)

評価方法と基準

科目の合否は4回のレポートで評価する。(レポート25点×4回)=100点として60点以上を合格とする。

教科書・参考書

「応用流体力学」岡本史紀著
【参考書】工学基礎「流体力学」岡本史紀著(森北出版) 「流体力学」日野幹雄著(朝倉書店) Schlichting,H.“Boundary Layer Theory”McGraw-Hill

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

最終更新 : Sat Nov 26 15:41:42 JST 2011