住居は,地域社会が固有の自然環境に適合するために育くんだ居住の型であり,風土が生んだ共生の文化である。従って,近代合理主義的な考え方や手法のみに準拠して,計画するには無理がある。
そのような認識をもとに, 内外における地域居住の具体的な事例を取りあげながら,それぞれの地域に内在する居住文化の仕組みとともに,それらが限定する住居や集落の条件を論ずる。また,そうした議論を踏まえ,地域の自然的,文化的な環境を保全する立場から,地域の固有性がもつ多様な意味と計画の役割,方法について考える。
さらに,研究対象である『地域居住』を捉えるために行ってきたフィールドワークの視点や方法をグローバルに論じ,参与観察の意味や手法を修得する。その上で、内外のフィールドを具体的に決定し、長期にわたるフィールドワークを実施する。