都市は多様な要素を含む物理的空間であると同時に,多様な活動を包合する生活空間である。都市計画を取りまく状況は環境問題の深刻化や市民参加の拡大によって大きく変化しつつあり,21世紀の都市計画はこうした社会システムの複雑化と環境の変化に適応するための技術的な対応が迫られている。また,計画に関連する情報は情報処理技術の発達や情報公開の流れの中で,その量を増大させかつ利用者の幅を広げている。こうした動きに対応可能な計画・設計手法やシミュレーション技術について,居住環境の性能水準,都市景観の保全,合意形成手法とツール開発,計画関連情報の伝達技術等を個別のテーマとして設定し論じる。