機械や構造物が安全に使用できるためには,応力・ひずみを的確に把握することが重要である。材料強度の応力・ひずみ,破壊などの解析分野で使用されている実験破壊力学は,方法別,対象別により光学的手法を始めとして超音波測定など広範囲な領域を含んでいる。これらの強度評価法は,測定対象物,測定目的によって単独もしくは複数の手法を併用することにより,実験結果の対比,確認や実験結果の向上,互いの補完的役割などに使用されている。本研究では,主に非接触的にき裂先端部など特異場の情報を用いる光弾性法とコースティックス法について解説し,これらを併用した解析法について論じる。また,力学的観点からのバイオメカニクスへの応用などを含めた実験破壊力学に関する解析例についての国内外の文献を講読し,最近の研究について理解を深める。
参考書:「応力集中」、西田正孝著、森北出版、「破壊力学実験法」、国尾 武・中沢 一・林邦彦・岡村弘之、朝倉書店、「フォトメカニクス」、高橋 賞他、山海堂、PHOTOELASTICITY」、E.G.COKER and L.N.G.FILON、CAMBRIDGE AT THE UNIVERSITY、「PROBLEMS OF MIXED MODE CRACK PROPAGATION」、E.E.GDOUTOS、MARTINUS NIJHOFF PUBLISHERS、「Applied Stress Analysis」、A.J.Durelli、Prentice-Hall,Inc.「Experimental Mechanics」、An International Journal of the Society for Experimental Mechanics,Inc、授業時に配布資料あり・適宜指示する。