機械エネルギーの伝達をつかさどるデバイスの多くに流体パワーを応用したシステムが数多く用いられている.油空圧システムをはじめとし,自動車を構成している多くのデバイス(サスペンション,パワーステアリング,4WS,ABS),建設機械,産業用ロボット,高層ビルの耐震装置等は代表的な流体パワーシステムである.本特論では,流体パワーシステムの設計の基礎となる作動流体の流れの力学,流体デバイスの動特性解析(シミュレーション)の解説を行い,実際に流体パワーシステムを構成して用いる場合に重要となる各種制御手法について考察する.さらに,新しい流体材料を用いているスマート流体パワーデバイスについても論ずる.