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超伝導材料特論

Study of superconducting materials

開講部

大学院工学研究科博士(後期)課程

開講学科

地域環境システム専攻

開講学年

1年次

開講時期

前期又は後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

特論

講義区分

講義
教授村上雅人

科目英語名称

Study of superconducting materials

授業内容

 超伝導材料、特に高温超伝導材料について、その発現機構および応用に必要な材料特性を学習する。高温超伝導に関しては、その発言機構自体は明らかになっていないので、Bardeen, Cooper, Schrieferによるフォノン機構を学習したうえで、高温で超伝導が発現するいくつかの機構のとりまとめ、現象論的な観点からの整理を行う。フェルミ粒子の結合によるボーズ凝縮として超伝導を捉え、エキシトン機構や励起子機構など電子対形成機構のモデルをいくつか考えたうえで、高温超伝導体において電子対機構として最も有力視されている磁気相互作用について評価を行う。
 超伝導応用に必要な基礎特性としては、磁束の量子化と、超伝導/常伝導相変態の熱力学と、それを理解するうえで重要なGinzburg-Landau理論について学習する。磁束の量子化に関しては、量子力学を基本として波動力学によるマクロな量子化現象として超伝導を捉えることで、その挙動を理解することを目的とする。また、磁束量子は、磁場センサーや量子コンピュータへの応用が考えられており、その応用への基礎も学習する。
 超伝導の熱力学に関しては、応用上重要な第二種超伝導体の挙動をGL方程式で理解するとともに、SN界面での特殊現象から、非平衡状態としての磁束のピン止め現象、および、それにともなう臨界状態を理解する。また、ローレンツ力とピニング力のつりあい方程式に立脚した臨界状態モデルによる臨界電流の考えについても理解する。そのうえでピニング力を与える磁束と欠陥の相互作用について、磁束格子に相互作用がある場合とない場合に分けて論じる。ただし、磁束格子間に相互作用がある場合は多体問題となるので近似的な取り扱いを行う。

評価方法と基準

レポートおよび学術誌への論文投稿により評価を行う。
レポート:40%
論文投稿:60%

教科書・参考書

高温超伝導の材料科学(内田老鶴輔、村上雅人)、Melt processed high temperature superconductors (World Scientific, M. Murakami), はじめてナットク超伝導(講談社、村上雅人)、超電導新時代(工業調査会、村上雅人)

関連科目

環境関連科目

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合40%)

最終更新 : Tue Feb 12 11:11:50 JST 2008