福祉工学は,近年の少子高齢化が加速していく中,重要な役割を果たす学問領域である.この福祉工学研究では,障害者や高齢者のQuality Of Life(生活の質: QOL)の向上を実現するために,自立,そしてバリアフリーを工学的に支援する方法・手段を研究する.障害者や高齢者が使用する福祉機器の開発だけでなく,高齢者や障害者の生理学的特性を計測することも福祉工学研究の重要な研究課題の一つである.福祉工学研究には,人間工学,生体工学,ロボティクスという応用分野だけでなく,機械設計,計測工学,制御工学などの基礎的な機械工学分野や生理学,解剖学といった医学分野の知識も必須となる.
上記のことを踏まえ,以下の研究テーマを実施している.
1. ヒトの反射機構に関する研究(伸張反射,血管反射など)
2. 超音波装置による生体計測に関する研究(筋線維−腱連合体計測,義足開発支援など)
3. ロコモーションや姿勢制御に関する研究(義足歩行,脊損歩行,姿勢動揺,外乱装置開発など)
4. 支援機器開発に関する研究(ロボット型歩行訓練システムの開発,水中訓練システムの開発,上肢麻痺補助装具の開発など)