現場における日本の生産システムは、元請と下請の協調的関係、現場での工夫や技術開発・改良など優れたシステムを有する。世界から注目される日本の製造業の「カイゼン」や協調的運営による擦合せ型の意思決定システムは、建設プロジェクトにおいて予てからおこなわれてきたモデルと解することもできるが、完全な受注一品生産であるため、重要なノウハウが技術者や技能者といった人単位で蓄積され、暗黙知となっているが故に体系化しにくい宿命を有する。
本講義は、事例研究(ケースメソッド)を中心にした演習により、建設の生産システムを紐解き、実践的な知見を得ることを目的としたものである。
授業で扱う内容
建築生産における技能者(職人)の役割と意味
建築生産における専門工事業の役割
建築生産におけるゼネコンの役割
製造業の生産システムと建設業の比較
生産管理・分析手法
建設業のビジネスモデル
日本型生産システムの考察