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物理学実験

Physical Experiment

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講師秋光正子
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教授仁井田洋
講師水谷雅志

授業の概要

物理学はあらゆる自然科学の基礎をなすものであり、また実験に基づき理論体系の確立された学問であるから理学と工学との研究に実験は欠くことのできないものである。実験を行うことは、研究を目的とするのは当然であるが、ここで扱うのはいわゆる学習実験で、これにより自然科学を研究するための態度と習慣を身につける。したがって、各々の実験題目の物理的な意味を理解し、実験計画の立て方および実験方法を体得し、将来、研究実験を行うための基礎を養う。
 具体的には、はじめに誤差論の基礎を学ぶ。次に体積測定の実験も含めて、11の実験題目について、自らの手で実験を行うことにより物理現象を実感として体験する。


なお、物理学実験は、1年生だけでなく、2、3、4年生も受講できるよう全学生に開講している。

達成目標

1.各実験題目の物理的な意味を理解して実験計画を立て、実験を計画的に遂行できる。
2. 実験に伴う誤差の概念が理解できる。また、具体的な誤差計算ができる。
3.ノギス、マイクロメーターを含めた基本的な計測器の取り扱いができる。
4.各実験に適したグラフを書くことができ,それが表している意味を解釈できる。
5.測定値の整理および測定結果の評価ができる。また、適切な実験報告書を作成できる。

授業計画

1.ガイダンスおよび班分け
2.誤差論 ・誤差に関する基礎を学ぶ。
体積測定 ・実際にノギス、マイクロメーターを使って体積測定を行い、測定値及び誤差の取扱いを学ぶ。
3.ヤング率測定
  ・ユーイングの装置で試料棒にたわみを生じさせ、“光てこ”による微小長さ測定法により中点降下を測定し試料棒のヤング率を調べる。
4.重力加速度測定
  ・ボルダの振り子(単振り子)を用いて重力加速度gを測定する。周期の測定法、及びそのデータ処理法を学ぶ。
5.水の粘性率
  ・毛細管を利用して、管中を流れる流体、特に水についての粘性率を測定し、Hagen-Poiseuilleの法則を理解する。
6.熱の仕事当量
  ・水熱量計を用いて、電流によりジュール熱を発生させ、熱量と仕事量との換算当量(熱の仕事当量)を測定する。また熱の伝わり方等について理解する。
7.分光計による測定
  ・分光計の仕組み、使用法を理解し、これを用いて次の測定を行う。
  1、既知波長の単色光源を用いて平面回折格子の格子定数を測定する。
  2、与えられた光源の発光スペクトル線の波長を測定する。
8.レーザーを使った偏光の実験
  ・レーザーを種々の面に応用するときレーザー光の偏光特性を問題にすることが多い。偏光の表し方、偏光子、位相板などについて理解する。
9.実験発表会 (発表会準備・ポスター作成)
  ・これまで行った各実験テーマについて、原理、方法、結果及び考察をポスター等を使って発表する。プレゼンテーション指導も行う。
10.実験発表会 
  ・班ごとに15分程度の時間で発表を行う。
11.電気抵抗の測定
  ・ホイートストン・ブリッジを用いて金属及び半導体(サーミスタ)の電気抵抗の温度変化を調べる。パソコンを用いてデータ処理を行う。
12.半導体素子の測定
  ・一般的に利用されている半導体素子(ダイオード、トランジスタ)の電圧電流特性を調べ、その構造と整流作用、増幅率等について理解する。
13.オシロスコープ
  ・LCR回路の過渡現象について、減衰振動、共振現象の観測を行う。
14.交流周波数の測定
  ・一弦琴を交流の振動に共振させ、その固有振動から交流の周波数を求める。ま た、この実験を通じて弦を伝わる横波の性質、特に定常波の性質を理解する。
15.最後のまとめ 
  ・実験ノートまとめ
  ・レポート提出

評価方法と基準

上記[到達目標]を考慮して、実験レポート(50%)、実験点(20%)、発表(20%)、誤差論(10%)の割合で評価を行い、合計が60%以上を合格とする。

教科書・参考書

物理学実験指導書

履修前の準備

高校での物理

学習・教育目標との対応(機械工学科)

1.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.
2.(H)機械を実現するために必要な工学特有の手法(計測,制御,設計,加工,プログラミングなど)に習熟し,それらを問題の状況に応じて適切に使うことができる.

学習・教育目標との対応(機械工学第二学科)

1.(E)機械工学における基盤分野の理解に必要な基礎的な数学の知識と応用能力,実験・分析の遂行に必要な確率・統計,情報処理の基礎的な知識や自然現象を数学的にモデル化し,シミュレーションする基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 基礎的な数学の知識 (2) 実験データの分析能力 (3) 情報リテラシの習得 (4) 自然現象をモデル化し,シミュレーションする能力

学習・教育目標との対応(応用化学科)

1.(A)応用化学をささえる工学一般・自然科学・情報技術に関する知識と,その応用能力.

学習・教育目標との対応(電気工学科)

1.C2:数理法則と物理原理など工学の基礎理論を理解し、適切に利用することができる。

オフィスアワー

実験終了後物理準備室へ、または、各曜日の実験担当者の研究室へどうぞ。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:43:39 JST 2013