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現代物理学

Modern Physics

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教授仁井田洋この授業の2009年度のアンケートを参照
講師秋光正子
講師水谷雅志

授業の概要

20世紀初頭に入り、物理学はミクロの世界の探究に手をのばしはじめ、アインシュタインの相対性理論や量子力学の理論体系の完成により現代物理学の基礎が形作られた。授業ではこれらの発展過程において重要な基礎概念である相対論(特殊相対性理論)と量子論を学ぶ。
講義の内容は、相対性理論による光速に近い物体の運動理論の解明、質量とエネルギーの同等性、エネルギー量子、ハイゼンベルグの不確定性原理、物質の波動性などの概念をまず学ぶ。続いて量子論の基礎方程式であるシュレディンガー方程式を学びこれを用いて簡単な量子系の問題を解けるようにする。

達成目標

1.アインシュタインの相対性理論がなぜ必要であったのかを説明し、ローレンツ変換を用いて時間や速度の変換をすることができる。
2.相対論的運動量、エネルギーの表式を書き下し、古典極限をとって古典論との比較・考察ができる
3.物質の粒子性とミクロな粒子が示す波動性について理解でき、光電効果、コンプトン効果、物質波について説明できる。
4.不確定性原理について例をあげて説明できる。
5.井戸型ポテンシャルの場合のシュレディンガー方程式を書くことができる。また、それを解くことができる。

授業計画

1.特殊相対性理論の登場
  ・マクスウェル電磁気学とガリレイ変換の矛盾
・マイケルソンとモーレーの実験
2.ローレンッ変換
  ・ガリレイ変換とローレンツ変換
3.特殊相対性理論のいろいろな性質 (1)
  ・長さの縮み、時間の遅延、光のドップラー効果
4.特殊相対性理論のいろいろな性質 (2)
  ・速度の加法則、質量の相対性
5.特殊相対性理論のいろいろな性質 (3)
  ・質量とエネルギーの関係
6.光の粒子性−量子論の黎明
  ・プランクの量子仮説とアインシュタインの光量子説
7.光の粒子性 (2)
  ・X線の連続スペトルとコンプトン散乱
8.中間試験
9.粒子の波動性
  ・ド・ブローイの仮説、 群速度、
  ・粒子線の回折
10.不確定性原理
  ・物質波、波動関数、不確定性原理
11.ボーアの原子モデル−前期量子論
  ・原子の線スペクトル
  ・ボーアの原子モデル
12.シュレディンガー方程式
  ・波動関数の性質、定常状態のシュレディンガー方程式
13.シュレディンガー方程式を解く
  ・1次元井戸型ポテンシャルの中の粒子の運動
14.トンネル効果
  ・有限の高さの井戸型ポテンシャルの場合、トンネル効果
15.期末試験

評価方法と基準

中間試験、期末試験およびレポート、小テストで評価する。
それぞれの評価の割合は、40%、40%、20%とし、合計して60%以上を合格とする。

教科書・参考書

A・バイザー 現代物理学の基礎 好学社(参考書)

履修前の準備

基底物理学、基礎力学、基礎電磁気学

学習・教育目標との対応(機械工学科)

1.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.

学習・教育目標との対応(機械工学第二学科)

1.(E)機械工学における基盤分野の理解に必要な基礎的な数学の知識と応用能力,実験・分析の遂行に必要な確率・統計,情報処理の基礎的な知識や自然現象を数学的にモデル化し,シミュレーションする基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 基礎的な数学の知識 (2) 実験データの分析能力 (3) 情報リテラシの習得 (4) 自然現象をモデル化し,シミュレーションする能力

学習・教育目標との対応(応用化学科)

1.(A)応用化学をささえる工学一般・自然科学・情報技術に関する知識と,その応用能力.

学習・教育目標との対応(電気工学科)

1.C1:自然科学全般の基礎的な考え方を理解し、技術の基盤となる自然科学の原理を説明できる。

オフィスアワー

講義終了後の教室、または研究室へどうぞ。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:43:41 JST 2013