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物性入門

Introduction to the Solid State Physics

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授業の概要

 私たちの生活は,さまざまな種類の“材料”によって支えられています.周知のように,これらの材料は原子が結合することによって形成されていますが,この結合の担い手が“電子”であり,種々の物質の性質(物性)を決めています.
 本講義では,結晶という舞台での“電子”の振る舞いにより,さまざまな物質の性質が定性的に説明できることを,おもに電気・電子材料を例に挙げながら,下記の項目にしたがって示していきます.
 なお,これから利用されていく材料には,特性が優れるということだけではなく,自然環境に対する負荷ができるだけ小さいことが求められるので,この点についても触れていく予定です.
 本講義を受けることにより,電子の性質や挙動が,我々の日常生活に密接に関係していることを理解して頂ければと思います.

達成目標

1.材料の示す性質に興味をもち,そこで電子がどのような役割を演じているかを説明できる.

授業計画

1.物性論の基礎(1)
 物性論の考え方,原子,分子,固体,大きさと単位
2.物性論の基礎(2)
 電子とその性質
3.原子の構造
 原子核,陽子と中性子,ボーアの原子モデル,原子スペクトル
4.物質の構造と結合
 物質の三状態,原子の結合
5.物質の構造とX線・粒子線の回折
 ブラッグの法則,ミラー指数
6.熱エネルギーと格子の振動
 原子振動,格子振動
7.固体中の電子の振る舞い
 電子の波と確率,量子論
8.電子のエネルギーバンド
 エネルギーバンドの構造と金属,絶縁体の区別
9.電気伝導の世界(1)
 金属の性質,電気伝導度の温度依存性
10.電気伝導の世界(2)
 半導体の性質,真性半導体と不純物半導体
11.電気伝導の世界(3)
 pn接合,ダイオードとトランジスタ,発光ダイオード
12.磁気の世界(1)
 電子の示す磁性,常磁性,反磁性,強磁性
13.磁気の世界(2)
 磁気の応用,磁気記録,ディジタルメモリ
14.超伝導
 永久電流と完全反磁性,電子の相互作用と超伝導状態
15.レポート発表

評価方法と基準

達成目標に対する到達度を評価するため,講義時間内における小テストとレポート発表を行う.
科目の合否は,小テストならびにレポート発表との合計点にて評価し,総合得点率が60%以上を合格とする.

教科書・参考書

【教科書】
わかる電子物性(日新出版,中澤叡一郎,江良皓,野村龍男,矢萩正人 共著)

【参考書】
したしむ電子物性(朝倉書店,志村史夫 著)
したしむ磁性(朝倉書店,小林久理真 著)
入門固体物性(共立出版,斉藤博,今井和明,大石正和,澤田孝幸,鈴木和彦 共著)

履修前の準備

物理学あるいは化学について,基礎的な学習をしていることが望ましい.

学習・教育目標との対応(機械工学科)

1.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.

学習・教育目標との対応(機械工学第二学科)

1.(E)機械工学における基盤分野の理解に必要な基礎的な数学の知識と応用能力,実験・分析の遂行に必要な確率・統計,情報処理の基礎的な知識や自然現象を数学的にモデル化し,シミュレーションする基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 基礎的な数学の知識 (2) 実験データの分析能力 (3) 情報リテラシの習得 (4) 自然現象をモデル化し,シミュレーションする能力

学習・教育目標との対応(応用化学科)

1.(A)応用化学をささえる工学一般・自然科学・情報技術に関する知識と,その応用能力.

学習・教育目標との対応(電気工学科)

1.A1:種々の文化および社会の発展の歴史を理解して、説明することができる。

オフィスアワー

授業の前後,講師室にて

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:42:14 JST 2012