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文化人類学

Cultural Anthropology

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授業の概要

私たちは、自分の育った社会の文化的価値観を自然と身につけ、それを通して異文化を捉えてしまう。本講義では、こうした人間に潜む自文化中心的思考を自覚することから始まり、文化の多様姓を見聞し、そして最終的に自文化において「常識=当たり前」とされていることを相対化し再検討することを目指す。グローバリゼーションが進行し「異文化理解」の必要性が唱えられている現代社会だからこそ、「異文化を知り、自文化を相対化する」学問である文化人類学をぜひ学んで欲しい。

達成目標

1.本講義では、グローバル化が進む21世紀社会のなかで、他者と共生していくために必要な下記の視点を身につけることを目標とする。
自文化を最高のものとみなし、それを基準として異文化を捉えようとする自文化中心主義的態度を否定する視点
2.すべての文化には独自の意味体系があることを認めた上で、異文化を理解しようとする文化相対主義的視点
3.文化相対主義を踏まえた上で、自分たちの伝統的な文化(身体化された知識や伝統的な技術を含む)を尊重する視点

授業計画

1.イントロ:講義内容・成績評価の説明。
2.異文化理解への第一歩:「差異」をキーワードに「私(自己)」と「あなた(他者)」の関係性を考える。
3.文化と文化相対主義 :文化人類学の諸学説と基本理念を学ぶ。
4.フィールドワークとエスノグラフィー:異文化を理解するための方法論を紹介する。
5.家族・親族:世界の多様な家族形態を見聞した上で、現代日本の「家族」を再考する。
6.ジェンダー:「僕たち/私たち」は生まれながらにして「男/女」であるのか?それとも徐々に「男/女」になるのだろうか?
7.通過儀礼:人の一生において「子供」と「大人」の境界はどこなのか?大学生は「子供」なのか、それとも「大人」なのか?通過儀礼論を通して考える。
8.中間評価:これまでの内容理解度をテストによってチェックする。
9.ケガレの構造:秩序・境界・認識をキーワードにして、差別や排除を考察する。
10.共同性と逸脱:なぜコミュニケーションが成立するのか、あるいは、なぜ成立しないのか?メタ・コミュニケーションとコミュニケーション・モードについて学ぶ。
11.互酬性:お歳暮や誕生日プレゼントなどの贈り物が持つ社会的機能を考え、交換形態から人間関係や社会関係を考察する。
12.身体と知識:文化の中で身につけた言語化し得ない身体に刻まれた知識について考える。また、職人や熟練工が持つ知識の伝承の方法について検討する。
13.身体・病気・治療・死:現代医療の問題を医療人類学的視点から分析する。
14.伝統と近代の接合:文化の保存・再創造・再活性化について考える。
15.期末テスト:授業の総合テスト。

評価方法と基準

中間テスト30%、授業中の評価(リアクションペーパー・授業態度・出欠状況)20%、そして期末テスト50%の割合で評価する。出席率が三分の二に満たない者は評価対象としない。
合計100%として60%以上取得を合格とする。

教科書・参考書

授業毎にレジュメを配布する。参考文献は、その都度テーマに応じて紹介する。

履修前の準備

特に予習の必要はないが、世界地理の基本事項を確認しておくことが望ましい。
また,履修に向けての心構えとして次の3点を厳守してもらいたい。講義開始30分以降の入室はしないこと、講義中に私語はしないこと、そして好奇心をもって講義に臨むこと。

学習・教育目標との対応(機械工学科)

1.(D-2)文化・芸術・歴史・国民性など広い視野から機械技術の役割を捉えることができ,それらを柔軟な発想で設計や開発に生かすことができる.

学習・教育目標との対応(機械工学第二学科)

1.(C)技術・工学が地球環境と生態系との共生・共存を無視して独走することがないように,「技術・工学が社会に果たす役割」を強く自覚するための基礎知識と総合能力を習得する

学習・教育目標との対応(応用化学科)

1.(D)社会・文化と人間のかかわりを理解し,異なった立場からの考えを理解する柔軟性.

学習・教育目標との対応(電気工学科)

1.A1:種々の文化および社会の発展の歴史を理解して、説明することができる。

オフィスアワー

授業の前後に講師室にて対応する。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:43:52 JST 2013