A0040400

材料力学2

Mechanics of Materials 2

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

1年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授小谷邦夫

授業の概要

 材料力学1で述べたように、材料力学の考え方の基本は大きく分けて次の3つのカテゴリー(範疇)に区分される。これらは、他のものとは独立に存在するから、それぞれを明確に分離して考える習慣を付けることが、望ましい。

1.力の釣合い
  モーメントの釣合いを含む、力の釣合い。
  変形する物体でも、力の釣合いを求めるときは、考えている部分を剛体として取り扱う。

2.幾何学的な適合条件
  物体が変形しても、物体内部に空間が出来たり、重なり合いを生じないことを、式で表す。

3.構成法則
  加えられた力に対して、どの程度変形するか、温度上昇に対してどの位伸びるか、などのその物体独自の物
  性で、実験によって得られる定数である。
  なお、普通の材料力学と同様にこれらの値は、与えられているものとする。
  また、力と変形の関係は比例するとして、いわゆるフックの法則として、考える。

 材料力学2では、これらの考えを、せん断、ねじりについても誘導する。

 また、エネルギーの考えを導入すると、上の3つのカテゴリーの内、
1.力の釣合い、または、 2.適合条件、のいずれかを使わないでよくなる。

授業では、2.適合条件を除き、
  1.力の釣合い
  2.フックの法則
  3.エネルギーの停留条件(カステリアノの定理)より、計算することを考える。


更に、応力(ひずみ)の座標変換、不安定現象としての座屈などを取り扱う。

 次週のプリントを配布し、事前に自習することを前提とするので、授業時は演習を主として行う。

達成目標

1.微小変形の仮定を理解できる。
2.力の釣合いを具体的問題に利用できる。
3.変位の幾何学的適合条件を理解できる。
4.せん断を含む具体的問題を解ける。。
5.柱の座屈について理解できる。
6.応力、ひずみの座標変換を理解できる。
7.具体的問題を相互定理を使って解ける。
8.カスチリアーノの定理を使って具体的問題を解ける。

授業計画

1. 軸力をも考慮したラーメン
    ・引張
    ・曲げ
    ・平面内構造物、座標変換
    ・演習1
2.せん断 および ねじり(1)
    ・せん断応力
    ・せん断ひずみ
    ・軸のねじり
    ・極断面二次モーメント
    ・演習2
3.せん断 および ねじり(2)
    ・ばね
    ・伝動軸
    ・共役せん断応力
    ・はりのせん断応力
    ・演習3
4.中間試験(範囲 上の1.、教科書プリント参照不可、計算機使用可)
5.短柱
    ・軸力と曲げとが同時に作用する部材
    ・演習4
6.長柱(座屈)
    ・微分方程式
    ・非自明解
    ・固有値
    ・オイラーの座屈荷重
    ・演習5
7.弾性理論の基礎(1)
    ・応力,ひずみの座標変換
    ・モールの応力円,ひずみ円
    ・3次元でのモールの応力円
    ・演習6
8.弾性理論の基礎(2)
    ・3次元の応力状態の特別な場合としての2次元応力状態
    ・平面応力状態
    ・平面ひずみ状態
    ・演習7
9.弾性ひずみエネルギー(1)
    ・外部仕事
    ・エネルギ保存
    ・相互定理
    ・カスチリアノの定理
    ・相互定理に関する実験
    ・レポート
10.弾性ひずみエネルギー(2)
    ・トラスへの適用
    ・補仮想仕事の定理
    ・演習8
11.弾性ひずみエネルギー(3)
    ・不静定トラス
    ・等価静定系
    ・演習9
12.弾性ひずみエネルギー(4)
    ・はり
    ・不静定ばり
    ・演習10
13.共役ばり法
    ・はりのたわみ
       分布荷重から曲げモーメントを求める方法と
       曲げモーメントからたわみを求める方法の等価性
       (面積モーメント法の改良)
14.薄肉容器
    ・膜応力
15.期末試験
   (上記1.〜14.選択制、教科書プリント参照可、計算機使用可)

評価方法と基準

達成目標1〜3は中間試験と期末試験で、達成目標4は授業計画2,3の演習で、達成目標5は授業計画6の演習で、達成目標7はレポート2で,達成目標8は、授業計画10〜12の演習で評価する。

科目の合否は、演習10回とレポート1回と中間試験と期末試験との合計点で評価する。
演習4点×10=40点+レポート10点+中間試験 10点+期末試験 40点 合計 100点
60点以上を合格とする。

教科書・参考書

[教科書参考書]
教科書:材料力学要論, S.TIMOSHENKO & D.H.YOUNG 著,前澤成一郎訳,コロナ社
    (材料力学1と同)

履修前の準備

材料力学1を履修しておくことが望ましい.

学習・教育目標との対応

1.(A)材料,流体,熱・エネルギー,振動・制御,設計・加工,応用領域の6分野を柱として専門基礎知識を活用できるとともに,それらを互いに関連づけてデザインの基本概念を理解することで,技術的・社会的要求の実現に向けた具体的なプロセスを発案し,計画を遂行することができる.
2.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.
3.(F)機械に関わる諸現象を物理の原理から数学的に導くことができ,機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に適用することができる.

オフィスアワー

火曜日終了後(ただし、事前に申し出ること。)

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:42:47 JST 2012