A0170900

設計工学

Design Engineering

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
講師岡本紀明

授業の概要

(授業の概要と目的)機械をつくる目的は、人間や社会にとって有用な働きをさせることである。それを実現させるために、具体的な構造やしくみを構築することが設計である。3年前期までに学習してきた基礎知識を設計の立場から見直し、具体的な設計課題を通して、その活用方法をここでは学習する。

達成目標

1.構造、特にトラスの適正構造設計ができる。
2.緩衝器に関する基本的な理論が理解でき、設計計算ができる。
3.機講設計に制振理論やトライボロジーの知識を活用することができる。
4.機械の安全について評価、判断が出来る。

授業計画

1.第1章 製品開発と設計     
    ・製品開発の流れと設計
    ・開発事例:チョロQのひみつ
2.第2章 構造設計(1)      
    ・構造形態の種類と働きの特徴
    ・トラス構造の最適設計
3.第2章 構造設計(2)      
    ・軽量構造設計
    ・事例研究:人工衛星用アンテナの開発・設計
4.第2章 構想設計と試作の載荷コンテスト      
    ・創成課題:トラスの最強設計と紙による試作
    ・トラスの崩壊現象の観察と強度の向上法
5.第3章 緩衝と設計(1)     
    ・緩衝理論と設計パラメータ
    ・事例研究:エレベータ用緩衝器の開発・設計
6.第3章 緩衝と設計(2)     
    ・自動車/鉄道/エレベータにおける衝突と安全方策
    ・事例研究:鉄道車両の緩衝設計
7.中間試験
8.第4章 振動と設計(1)     
    ・強制振動の理論と小実験
    ・事例研究:加速度計の設計
9.第4章 振動と設計(2)     
    ・振動絶縁の理論と防振支持技術
    ・鉄道のサスペンション/免震設計
10.第5章 機構と設計        
    ・機構の運動制御理論
    ・磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御と浮上量制御技術
11.第6章 トライボロジーと設計   
    ・トライボロジーと摩擦駆動
    ・事例:プリンタの紙搬送機構と制御
12.第6章 接触問題と表面強度設計  
    ・転動面の接触応力・強さ
    ・軸と回転部品の接合設計
13.第7章 安全と設計        
    ・国際安全標準における安全思想と技術
    ・事例:事故例を踏まえたリスク低減方策
14.第9章 設計支援システム     
    ・ものづくりのディジタル・イノベーション:CAD/CAE/CAM/
    ・事例:CAEによる設計支援の適用:新幹線の騒音評価・半導体の応力
15.期末試験

評価方法と基準

【評価方法および評価基準】
達成目標1はレポート、達成目標2、3、4は毎授業時の課題提出により評価する。
総合した科目の合否は、(レポート:30点満点)+(課題提出:15点満点)+(中間・期末試験:55点満点)として、総合得点が60点以上を合格とする。

教科書・参考書

参考書:人工物の構造と特性、中島尚正、岩波講座 現代工学の基礎
参考書:Harris'Shoch and Vibration Handbook、Arris,C.M.,Piersl,A.G.、McGraw-Hill
参考書:安全と安心の科学、村上陽一郎、集英社新書

履修前の準備

工業製品フィールドを縦軸に、機械工学の基礎知識を横軸に、毎回の授業ごとに設定したテーマに関連した内容を総合した形で講義しますので、基礎知識、特に、材料力学、機械力学、機構学、制御工学を履修しておくことが望ましい。

学習・教育目標との対応

1.(A)材料,流体,熱・エネルギー,振動・制御,設計・加工,応用領域の6分野を柱として専門基礎知識を活用できるとともに,それらを互いに関連づけてデザインの基本概念を理解することで,技術的・社会的要求の実現に向けた具体的なプロセスを発案し,計画を遂行することができる.
2.(D-1)医療過誤,環境汚染,原発事故など,技術の発達が社会構造や自然環境にもたらしてきた問題を学習することで,倫理的な視点を踏まえて技術開発を進めることができる.
3.(F)機械に関わる諸現象を物理の原理から数学的に導くことができ,機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に適用することができる.

オフィスアワー

授業終了後30分間、教室または非常勤講師控え室にて質問に応じる。

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合 5%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:44:25 JST 2013