A0220200

流れ学1

Hydrodynamics 1

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授山口隆平

授業の概要

 初めに,流れ学の発達の歴史を紹介し,一般の自然科学との関わりあいや流体の物理的な性質を説明し,見えない物体の運動である流れ学への入口を紹介する.
 圧力とヘッドの概念,静止あるいは相対的に加速運動している流体の圧力の測定法,および圧力による壁面にかかる力およびその作用点,粘性を持たない完全流体の運動を表現するためのオイラーの運動方程式,およびエネルギ方程式であるベルヌーイの定理について誘導および解説する.とくに,ベルヌーイの定理では,速度,圧力およびポテンシャルの各項の持っているエネルギの物理的な意義について触れる.さらに,ベルヌーイの定理の応用であるトリチェリの定理,ベンチュリ管,およびピトー管等による速度測定について述べる.

達成目標

1.静水圧の概念を学び,圧力とヘッドの関係を理解し,液柱型マノメータによる圧力測定ができる.
2.平面壁および曲面壁に作用する圧力による力の求め方を習得し,具体的な問題に対して作用する力を計算できる.
3.流れの動力学の基礎であるオイラーの運動方程式,それから誘導されるベルヌーイの定理の導き方,およびベルヌーイの定理のポテンシャル,圧力,速度の各項の概念を理解できる.
4.ベルヌーイの定理を,トリチェリの定理,ベンチュリ管,およびピトー管による速度の測定法へ応用できる.

授業計画

1.流れ学の発達
  ・流れ学の歴史と他の自然科学の法則との係わり合いを述べる.
2.流体の物理的性質
  ・流体と固体の違い,質量,密度,粘度,および動粘度の物理的性質について述べる.
3.流体の静力学
  ・静止流体の性質について述べる.
4.非圧縮性流体の圧力
  ・非圧縮性流体の圧力とヘッドの概念について述べる.
5.非圧縮性流体の圧力測定
  ・非圧縮性流体の圧力の測定法および液柱マノメータの概念について述べる.
6.中間試験1(範囲は2−5)および講評.
7.壁に及ぼす流体の力1
  ・水門のような平面に作用する流体の力とその作用点の解析について述べる.
8.壁に及ぼす流体の力2
  ・ダムのような曲面壁に作用する流体の力とその作用点の解析について述べる.
9.相対的に釣り合っている流体の加速運動
  ・直線的に等加速運動および回転運動している容器内の流体の圧力について述べる.
10.流れの動力学の概念
  ・運動している流体の流れ方,定常および非定常流,流線について述べる.
11.オイラーの運動方程式
  ・流れの連続の式および完全流体が運動している場合の方程式を誘導する.
12.ベルヌーイの定理
  ・非圧縮性流体のエネルギ方程式の誘導を示し,圧力,速度およびポテンシャルの物理的意味を示し,ピトー管の原理について述べる.
13.中間試験(範囲は7−12)および講評
14.ベルヌーイの定理の応用
  ・トリチェリの定理,ベンチュリ管,ピトー管への応用について述べる.
15.期末試験(範囲は4−14とする.)

評価方法と基準

達成度は、中間試験(2回)および期末試験により評価する.
中間試験1(20点満点),中間試験2(20点満点),定期試験(60点満点)とし,総合得点が60点以上を合格とする.

教科書・参考書

流れ学(基礎と循環器内流れ),山口著,オリジナルプリント.
第1章 流れ学の発達と流体の物理的性質
第2章 流れの静力学
第3章 流れの動力学

履修前の準備

高校レベルの物理学を修得していること.

学習・教育目標との対応

1.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.
2.(F)機械に関わる諸現象を物理の原理から数学的に導くことができ,機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に適用することができる.

オフィスアワー

授業終了後30分,専門講師室にて.
大宮校舎での講義日(毎週水曜)以外であれば,研究室にて.

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合20%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:42:55 JST 2012