A0270700

流体力学2

Fluid Mechanics 2

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
講師黒田成昭

授業の概要

【授業内容】
流体力学1に続き、境界層近似として知られている、Navier-Stokesの運動方程式の簡略化について述べる。続いて乱流の問題に入り、管内流、境界層をその代表例として両者の比較をしながら従来報告されている実験式等の紹介を行なう。そして境界層理論から乱流へと流体力学の最も中心的な問題の解決方法を修得し、流体関連の工学問題への幅広い応用力を養う。さらに流れに関する実験を進める上で必要な基礎的事項、風洞をはじめ、主要な計測技術、最後に身近にある流れに関する現象に注目し、物体まわりの流れ、流体抵抗を中心に学習する。

達成目標

1.Prandtlの境界層方程式とKarmanの運動量方程式を理解し、層流境界層の速度分布及び境界層の厚さを求めることができる。
2.円管内乱流や乱流境界層及び混合長理論を理解し、その摩擦抵抗を求めることができる。
3.風洞を用いた実験やその計測技術の数々を理解し、幅広い分野での流体力学実験を行うことができる。
4.構造物まわりの流れや渦の挙動を解析し、ストローハル数や流体抵抗を求めることができる。
5.境界層理論から乱流へと流体力学の最も中心的な問題解決方法を修得し、さらに主要な流体実験方法や流体抵抗の学習を通して、幅広い流体工学分野でのデザインへそれを適用することができる。

授業計画

1.境界層(1)
  Prandtlの境界層方程式、層流境界層、境界層厚さ
2.境界層(2)
  Karmanの運動量方程式、排除厚、運動量厚、形状係数
3.平板に沿う層流境界層(1)
  Blasiusの厳密解法、層流境界層速度分布
4.平板に沿う層流境界層(2)
  速度分布の仮定家庭による近似解法、平板の摩擦抗力の近似計算、境界層の剥離 【演習1】
5.乱流(1)
  遷移、臨界レイノルズ数、Reynoldsの乱流理論
6.乱流(2)
  レイノルズ応力、渦粘性、円管内の乱流、指数法則
7.乱流(3)
  乱流境界層の構造、平板に沿う乱流境界層 【演習2】
8.乱流(4)
  Prandtlの混合長理論、混合長
9.乱流(5)
  対数法則、壁法則、粘性底層、円管の摩擦抵抗
10.乱流(6)
  ムーディ線図、等価相対粗粒粗さ、等価直径、水力平均深さ【中間試験】
11.風洞
  風洞の形式、吹き出し口の形状、整流装置
12.計測技術
  熱線流速計、レーザ・ドプラー流速計、表面摩擦係数、クラウザー・チャート、流れの可視化
13.物体まわりの流れ(1)
  球の臨界レイノルズ数、球表面の圧力分布、円柱の抵抗
14.物体まわりの流れ(2)
  カルマン渦、ストローハル数、ロッキング現象、各種物体の抵抗 【演習3】
15.期末試験

評価方法と基準

【講義での演習及び到達目標との関連】
(1) Prandtlの境界層方程式とKarmanの運動量方程式--(演習1)
(2) 円管内乱流、乱流境界層及び混合長理論、摩擦抵抗--(演習2)
(3) 風洞を用いた実験やその計測技術
(4) 構造物まわりの流れ、ストローハル数、流体抵抗--(演習3)
(5) 流体工学分野でのデザイン能力--(演習1-3)&中間試験+期末試験
【評価基準】
中間試験40点、期末試験60点とする。総合得点が60点以上を合格とする。

教科書・参考書

岡本史紀著「工学の基礎 流体力学」森北出版を教科書として使用する。

履修前の準備

流体力学1を必ず履修しておくこと。

学習・教育目標との対応

1.(A)材料,流体,熱・エネルギー,振動・制御,設計・加工,応用領域の6分野を柱として専門基礎知識を活用できるとともに,それらを互いに関連づけてデザインの基本概念を理解することで,技術的・社会的要求の実現に向けた具体的なプロセスを発案し,計画を遂行することができる.
2.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.
3.(F)機械に関わる諸現象を物理の原理から数学的に導くことができ,機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に適用することができる.

オフィスアワー

毎週木曜日13:00〜16:00

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:44:31 JST 2013