A0370500

環境・エネルギー工学

Environment and Energy Engineering

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授山田純

授業の概要

我々の暮らす社会は,莫大な量のエネルギー消費により支えられている.現在の地球環境を維持し,生活,文明を持続的に発展させるためには,個々のシステムの効率化によるエネルギーの有効利用だけでは十分とは言えない.熱力学の本質を理解し,地球規模での環境問題,エネルギー問題に取組んで行くことが望まれる.本講義の前半では,エネルギーにまつわる問題と,それに対する社会の取り組みについて述べる.後半では,エネルギー消費の相当量をしめる冷凍システム,および,それによって実現される空気調和に関して,熱力学的解説を行う.

達成目標

1.熱エネルギー資源とエネルギー消費の現状を理解できる.
2.従来型の熱エネルギー供給システムの概要と将来に向けた取組みを把握できる.
3.原子力発電の概要,および,その社会問題について理解できる.
4.エネルギー消費の相当量をしめる冷凍システムを熱力学的に理解できる.
5.冷凍システムによって実現される空気調和を熱力学的に理解できる.

授業計画

1.エネルギーを巡る諸問題
・地球温暖化防止を目的とした社会の取り組み
・社会が達成すべき目標
・エネルギー需給の現状
2.エネルギーと社会システム
・最終エネルギー消費
・エネルギーの資源量と各国のエネルギー構成
熱エネルギー資源とその特性
・石油
3.石油以外のエネルギー資源とその特性
・石炭,石炭利用の問題点,クリーンコールテクノロジー
・天然ガス
・原子力(核分裂)
4.原子力エネルギーの現状
・ウラン資源
・プルサーマル
・高速増殖炉
その他のエネルギー源
・太陽,水力,風力
エネルギー消費の動向
5.「地球温暖化」の虚と実と
・CO2問題の裏側
6.冷凍サイクル,冷凍システム
・冷凍サイクルの熱力学
・蒸気圧縮冷凍サイクル
7.中間試験
8.冷凍サイクルの熱収支
・p-h線図
・サイクル設計の基礎
・冷媒
9.多段蒸気圧縮サイクル
吸収式冷凍機とそのサイクル
10.吸収式冷凍システムの熱力学
・基礎及び演習
ヒートポンプ
11.空気調和
・水蒸気線図
・乾き空気と大気のエンタルピー
・空気の絶対湿度,相対湿度
12.・露点温度
・断熱飽和温度
・湿球温度と乾球温度
13.湿り空気線図
快適さと空気調和
空気調和演習1
14.様々な空気調和過程
・単純暖房,単純冷房
・加湿暖房,除湿冷房
空気調和演習2
15.期末試験

評価方法と基準

中間試験40%,定期試験60%の配分で評価し,100点満点で総合得点が60点以上を合格とする.

教科書・参考書

機械系教科書シリーズ 熱エネルギー・環境保全の工学
井田民男,木本恭司,山崎友紀共著(コロナ社)

図説応用熱力学
Y. A. Cengel, M. A. Boles著,浅見敏彦訳(オーム社)

シリーズ地球と人間の環境を考える12 これからの環境論
渡辺 正著 (日本評論社)

環境危機をあおってはいけない
ビヨルン・ロンボルグ (文藝春秋)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか
武田 邦彦 (洋泉社)

“環境問題のウソ”のウソ
山本  弘 (楽工社)

履修前の準備

熱力学1,熱力学2を修得しておくことが望ましい.

学習・教育目標との対応

1.(A)材料,流体,熱・エネルギー,振動・制御,設計・加工,応用領域の6分野を柱として専門基礎知識を活用できるとともに,それらを互いに関連づけてデザインの基本概念を理解することで,技術的・社会的要求の実現に向けた具体的なプロセスを発案し,計画を遂行することができる.
2.(C-1)エネルギー問題や環境問題などについて,熱力学的視点からグローバルな議論ができる.
3.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.

オフィスアワー

随時.ただし,事前に連絡を入れることが望ましい.

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:43:00 JST 2012