A0440600

計測工学

Instrumental Engineering

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授内村裕

授業の概要

「計測なくして科学なし」は,ポアンカレ予想で有名なジュール・アンリ・ポアンカレの言葉である.ポアンカレの言うように,いかなる現象も,その存在を定量的に計測しなければ,科学的なアプローチとは言えない.このように計測は,あらゆる科学技術の根幹に関わる大変重要なものであり,工学の分野においても欠かすことが出来ない.
特に,機械工学に関わる分野においては,計測したデータが製品の品質や製造の効率の向上を寄与するだけではなく,自動化された製造設備の場合,製造そのものを左右する重要な役割を担っている.さらに,近年はコンピュータ化されたシステム中で,計測結果をディジタル化して信号処理することが一般的となっており,計測原理はもとよりデジタル領域での信号の取り扱いについても学ぶ必要がある.そこで本講義では,単位系や誤差論を含む計測の共通論から各種計測法の各論を論じると同時に,デジタル信号処理についても概説し,新しい計測工学の実際の習得を目指す.

達成目標

1.SI単位系を軸とした単位系と,物理系の次元について理解できる.
2.測定誤差の種類について学ぶと同時に,誤差を統計的に分析,最小化する手法について理解できる.
3.ディジタル信号処理の基本について学び,A/D変換,D/A変換,サンプリングの概念について理解できる.
4.アナログ信号処理の方法と,アンプ,フィルタの基本原理について理解できる.
5.周波数領域におけるデータ処理の基本であるフーリエ変換と,高速フーリエ変換について理解できる.
6.各種物理現象を計測するセンサの原理と,構成について理解できる.

授業計画

1.ガイダンス:計測工学とは,単位系
2.次元と次元式,測定の基本手法
3.測定誤差,測定精度
4.測定データの統計処理,最小二乗法
5.アナログ信号とディジタル信号,オペアンプ
6.フィルタとロックインアンプ
7.中間試験
8.ディジタル信号処理,計測システムにおける信号変換
9.雑音除去,フーリエ変換
10.信号の表示,計測システムの特性,静特性と動特性
11.機械式センサ
12.電気式センサ
13.流体式センサ,光学式センサ
14.その他のセンサとまとめ
15.定期試験

評価方法と基準

中間試験(小テスト,演習を含む) 40% 期末試験 60% の比重で,総合点数 60点以上を合格とする.

教科書・参考書

計測工学(前田良昭,木村一郎,押田至啓 共著 コロナ社)

履修前の準備

基礎解析学,応用解析学,確率と統計および情報処理科目等を履修しておくことが望ましい.

学習・教育目標との対応

1.(B)機械工学を応用領域の技術と関連づけて学習することで,近年要求される学際的な研究に対して積極的に取り組むことができる.
2.(H)機械を実現するために必要な工学特有の手法(計測,制御,設計,加工,プログラミングなど)に習熟し,それらを問題の状況に応じて適切に使うことができる.

オフィスアワー

木曜日講義終了後,
2号館,講師室.

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:44:37 JST 2013