A0700300

数値計算演習

Exercise in Engineering Analysis

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

1年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

演習
准教授小谷邦夫

授業の概要

 これから機械工学を学ぶ上で、計算機を使った計算は不可欠といえる。それも、電卓での乗除加減だけではなく、プログラムを自ら作成し実行する計算が必要になると思われる。
 この授業では、計算すべき対象を論理的に整理する方法として、PAD(Problem Analysis Diagram:問題解析図)を用いる。このPADは、基本的には使用するプログラム言語とは独立した、解析対象を論理的に表す1つの手段であり、これ以外に流れ図と言う方法もあるが流れ図は取り上げない。
 また、高等学校までに学習した数学や力学の内容と、これから学習する機械工学の内容には、いろいろな意味での隔たりがあると感じると思うので、この数値計算演習は、なるべくやさしい題材を利用して諸君を機械工学の世界に誘うことも目的としている。
 取り上げるテーマは、図に描けて、目に見えるものであるように努めるので、諸君は実際にグラフ用紙などに自分の手で図を描いて、感覚的に理解するようにしてほしい。
 実際の計算の手段としては、諸君がこれから技術者として活躍する上で不可欠であろう、携帯ができてプログラミングが可能な計算機、いわゆるポケコンを用いる。使用するプログラム言語はBASICである。

 原則として、次週のプリントを配布するので、事前に十分予習をすること。
 授業は簡単に基本事項を解説した後に,主として即日演習を行う.
 ただし、演習中に質問をしてよい、むしろ質問を奨励する。
 演習が当日完成できない場合は、宿題とする場合がある。
 また、レポート提出を合計3回求める.

達成目標

1.問題解析図(PAD:Problem Analysis Diagram)を理解できる。
2.BASICのプログラムを理解できる。
3.BASICのプログラムを書ける。
4.簡単な関数のマクローリン展開による計算プログラムを書ける。
5.簡単な問題の微分積分を理解できる。
6.力の釣合いを理解できる。
7.ニュートン法を利用した、収束計算のプログラムが書ける。

授業計画

1. PAD演習
   ・PAD
   ・処理箱
   ・入出力箱
   ・選択箱(判断箱)
   ・反復箱(数え箱)
   ・演習1
2.BASIC言語演習
   ・BASIC言語の基本
   ・BASIC言語に対するコーディング規則
   ・演習2
   ・レポート1
3.ポケコンの基本操作
   ・手計算
   ・プログラム計算
   ・演習3
4.プログラミング演習(1)
   ・三角関数(マクローリン展開)
   ・弧度法(ラジアン)
   ・微小変形、微小角、th=sin(th)=tan(th)?
   ・演習4
   ・レポート2
5.プログラミング演習(2)
   ・逆三角関数
   ・主値
   ・一般角
   ・演習5
6.プログラミング演習(3)
   ・指数関数
   ・対数関数
   ・対数関数の微分
   ・常用対数
   ・ネピア数,e
   ・自然対数
   ・演習6
7.機械工学への応用(1)
   ・ベルトによる摩擦
   ・片対数グラフ,両対数グラフ
   ・演習7
8.機械工学への応用(2)
   ・ベルトレンチ
   ・ニュートン法
   ・演習8
9.機械工学への応用(3)
   ・カテナリー(懸垂線)の実験
10.機械工学への応用(4)
   ・カテナリー(懸垂線)つづき
   ・双曲線関数
   ・レポート3
11.プログラミング演習(4)
   ・構造化プログラミング
   ・DIMENSION(配列)
   ・WHILE箱(条件付き繰り返し箱1)
   ・UNTIL箱(条件付き繰り返し箱2)
   ・SWITCH(多岐選択箱)
   ・演習9
12.機械工学への応用(5)
   ・タンクからの水の流出
   ・ベルヌーイの定理,エネルギー,トリチェリの定理
   ・演習10
13.模擬試験
   ・模擬試験
14.プログラミング演習(5)
   ・未定係数法によるtan(th)の計算
   ・模擬試験の解説
15.期末試験
(上記1.〜14.の総合問題、教科書プリント参照可、計算機使用可)

評価方法と基準

達成目標1は授業計画1,2の演習で、達成目標2は授業計画3,11,12の演習で、達成目標3はレポートと試験で、達成目標4は授業計画4で、達成目標5は授業計画5、6の演習で、達成目標6は授業計画7、9の演習で、達成目標7は授業計画8の演習で評価する。

科目の合否は、演習10回とレポート3回と期末試験で評価する。
演習5点×10=50点+レポート10点×3=30点+期末試験 20点 合計100点
60点以上を合格とする。(ただし、期末試験を無断で欠席した場合は不合格とする。)

教科書・参考書

指定しない。

履修前の準備

高等学校の数学,力学を復習しておくこと.

学習・教育目標との対応

1.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.
2.(F)機械に関わる諸現象を物理の原理から数学的に導くことができ,機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に適用することができる.
3.(H)機械を実現するために必要な工学特有の手法(計測,制御,設計,加工,プログラミングなど)に習熟し,それらを問題の状況に応じて適切に使うことができる.

オフィスアワー

火曜日終了後(ただし、事前に申し出ること。)

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Sat Nov 26 10:18:48 JST 2011