A0730000

医用機械工学1

Mechanical Engineering for Medicine 1

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
講師藤本哲男

授業の概要

現代の医療では診断や治療を目的として様々な機器が使用されている.治療を主目的とした医療機器に関しては病気の状態(病態)をいかに変えていくかという方針を明確にして設計・製作・使用することが重要である.そのためには「医学」と「機械工学」というように独立した概念ではなく,病態の生理学や解剖学を機械工学的視点から捉え直す必要がある.したがって従来の機械力学,水力学といった工学基礎による分類により講義するのではなく,実際の症例を中心として,それらの治療がいかに機械工学と関連するかに力点を置く.本年度は機械工学との関わりが深く,生命維持に重要な呼吸器系と循環器系を主体として講義を進める.

達成目標

1.材料力学や流体力学といった機械工学の基礎が医療へ応用されていることを説明できる.
2.基本的な人体の呼吸器系の生理・解剖を理解して,その中で医療機器が果たす機能を説明できる.
3.基本的な人体の循環器系の生理・解剖を理解して,その中で医療機器が果たす機能を説明できる.

授業計画

1.ガイダンス
2.概論1 医療機器の総論的紹介と機械工学との関連の概説.
3.概論2ヒトの生理学・解剖学の概説.(Short Test 1)
4.演習問題1
5.呼吸器系の医療機器1 呼吸器疾患を主体とした症例の提示.
6.呼吸器系の医療機器2 呼吸器系の力学的検討.(Short Test 2)
7.呼吸器系の医療機器3 呼吸器系の医療機器に関する力学的検討.
8.呼吸器系の医療機器4 問題点と今後の展望.(Short Test 3)
9.循環器系の医療機器1 循環器疾患症例の提示.循環器系の解剖・生理学.
10.演習問題2
11.循環器系の医療機器2 循環器系疾患の病態と力学的検討.
12.循環器系の医療機器3 各種の医療機器.(Short Test 4)
13.循環器系の医療機器4 循環器系の医療機器の総括.
14.演習問題3
15.総括

評価方法と基準

達成目標1は演習問題1,2,3,達成目標2は演習問題1,2,Short Test 1, 2, 3,達成目標3は演習問題1,3,Short Test 1, 4により評価する.
科目の合否はShort Test4回と演習問題3回の合計点で評価する:
(Short Test :10点満点)x 4回+(演習問題:20点満点)x 3回=100点として,総合得点が60点以上を合格とする.

教科書・参考書

(1)ゲーリー・A・ティボドー,他著,コメディカルサポート研究会訳:カラーで学ぶ解剖生理学,1999,医学書院
(2)日本機械学会編:バイオメカニクスシリーズ 生体力学,1991,オーム社
(3)Myer Kutz: Standard Handbook of Biomedical Engineering & Design, 2003, McGraw-Hill

履修前の準備

機械運動学,材料力学,機械力学,流れ学を履修しておくことが望ましい.

学習・教育目標との対応

1.(A)材料,流体,熱・エネルギー,振動・制御,設計・加工,応用領域の6分野を柱として専門基礎知識を活用できるとともに,それらを互いに関連づけてデザインの基本概念を理解することで,技術的・社会的要求の実現に向けた具体的なプロセスを発案し,計画を遂行することができる.
2.(B)機械工学を応用領域の技術と関連づけて学習することで,近年要求される学際的な研究に対して積極的に取り組むことができる.
3.(D-1)医療過誤,環境汚染,原発事故など,技術の発達が社会構造や自然環境にもたらしてきた問題を学習することで,倫理的な視点を踏まえて技術開発を進めることができる.

オフィスアワー

木曜日5時限終了後30分,研究棟1階M32室(機械医療工学研究室)にて.

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Sat Nov 26 11:12:08 JST 2011