A0735900

解析演習

Practice in Engineering Analysis

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

1年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

演習
教授角田和巳

授業の概要

【授業の概要と目的】 これから機械系エンジニアを目指す人にとって、力学的なものの見方とそれを表現し解析するための計算能力は、早い時期に取得しなければならない基礎的素養である。しかし、洗練された数少ない基本原理から構築される古典力学の体系は、初学者にとって敷居が高いこともまた事実であり、その本質を見極め力学的な思考方法と解析方法を獲得するためには、数多くの具体例に接し自らの手で問題を掘り下げていくことが必要である。そこで本授業では、1年前期開講の「力学の基礎1」と「基礎数学および演習」で学習した内容に沿って演習を行い、与えられた問題を処理するために必要な実践的計算能力の向上を目指す。
【本科目の位置づけ】 本科目の内容は、質点力学を中心とした古典力学である。これは、機械工学科で設定している主要6分野のすべてにわたって必要とされるものであり、本学科カリキュラムの基礎科目と位置づけられる。
2年次以降の学習が始まれば力学の基礎に後戻りしている余裕はないので、本授業を専門科目に着手するための最終関門ととらえ真剣に取り組んでもらいたい。

達成目標

1.微積分を利用して位置・速度・加速度の関係を求めることができる
2.物体を質点とみなして運動方程式をたてることができる
3.運動方程式を微分方程式として理解し、与えられた初期条件に対して適切な解を求めることができる
4.力学的エネルギーの保存と仕事について理解し、それを実際の工学問題に適用することができる
5.運動量の保存と力積について理解し、それを実際の工学問題に適用することができる
6.単振動の方程式を2階微分方程式として理解し、与えられた初期条件に対して適切な解を求めることができる

授業計画

1.「運動学(1)」
 ・本科目の目的と力学の考え方の骨子
 ・運動の記述法と微積分(位置、速度、加速度と時間との関係)
2.「運動学(2)」
 ・質点の平面運動に関する運動学(初等関数の微積分と微分方程式)
3.「運動学(3)」
 ・質点の平面運動に関する運動学(初等関数の微積分と微分方程式)
4.「質点の運動方程式とその解法(1)」
 ・微分方程式としての運動方程式(1階常微分方程式の応用)
5.「質点の運動方程式とその解法(2)」
 ・抵抗を受ける物体の運動(1階常微分方程式の応用)
6.「学力到達度試験(1)」
 ・試験範囲:運動学、運動方程式(達成目標1・2・3に対応)
7.「質点の運動方程式とその解法(3)」
 ・摩擦を受ける物体の運動(1階常微分方程式の応用)
8.「仕事とエネルギー(1)」
 ・運動エネルギーとポテンシャルエネルギー
 ・力学的エネルギーの保存(運動方程式の積分)
9.「仕事とエネルギー(2)」
 ・外力による仕事とエネルギー保存(内積の計算)
 ・摩擦と力学的エネルギー
10.「力積と運動量(1)」
 ・力積
 ・相互作用する物体間の運動量とその保存
11.「力積と運動量(2)」
 ・衝突(弾性衝突と非弾性衝突)
 ・運動量保存とエネルギー保存の連立
12.「学力到達度試験(2)」
 ・試験範囲:仕事とエネルギー、運動量と力積(達成目標4・5に対応)
13.「単振動(1)」
 ・単振動の方程式(定数係数の2階常微分方程式の応用)
 ・バネと質量からなる1自由度の単振動
14.「単振動(2)」
 ・単振動と弾性エネルギー
 ・単振り子
15.「学力到達度試験(3)」
 ・試験範囲 単振動を含んで全般(主として達成目標の6に対応)

評価方法と基準

【成績評価の条件】 初回の授業時に、目標達成度のチェックシートを配付する。講義内容に関する理解度・達成度を毎週記入し、教員の指定する日時にチェックシートの確認を受けること。チェックシートが確認済みの履修者に対してのみ成績評価を行う。
【評価方法】 3回の学力到達度試験で出題し評価する。各回の試験範囲は上記の「授業計画」を参照すること。第1回30%、第2回30%、第3回40%の配分で評価し、総合点60%以上を合格とする。

教科書・参考書

講義で使用する資料は機械工学科のWebサイト(http://www.mech.shibaura-it.ac.jp/)に掲載するので,受講前に各自でダウンロードし、必ず予習をしておくこと。原則として教室での資料配付は行わない。
本科目の目標を達成するためには演習が欠かせないので、自習する際の演習書として「メリアム例解演習工業力学/動力学編I、同じく動力学編II(サイエンス社)」を推薦しておく。(力学の基礎2で推奨する演習書と同じ)

履修前の準備

「力学の基礎1」を必ず履修しておくこと。

学習・教育目標との対応

1.(E)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を,自然科学の法則に基づいて理解することができる.
2.(F)機械に関わる諸現象を物理の原理から数学的に導くことができ,機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に適用することができる.

オフィスアワー

大宮キャンパス:月曜昼休み、豊洲キャンパス:水曜・木曜午後。担当者と直接連絡をとることが難しいときは、メールでの質問も受け付けています。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:43:15 JST 2012