B0170700

マテリアル・サイエンス

Materials Science

開講部

工学部

開講学科

機械工学第二学科

開講学年

1年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授今井八郎この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

機械を構成する一つとして金属材料がある。ここでは、金属材料の基本的な性質及び機械構造用材料として使用した場合の特性などについて講義する。また、機械材料を取り扱う上でのマテリアルズサイエンスの基礎についても概説する。材料を選択する上での着目点及び材料の諸性質のシステム的な考え方を中心に講義する。無機材料、新素材などについても講義のなかに取り入れ、新しい材料に対する話題を提供する。
 材料とくに金属材料を使用する場合には使用環境を配慮する必要がある。材料と環境及び材料を廃棄する場合の問題点、方法についても概説する。さらにリサイクルなどの方法も講義する。

達成目標

1.物質を構成する工業材料についての基本的な事項について、マテリアルズサイエンスの観点よりアプローチし、その概要について理解させる。
2.材料の実際の使用状況を全般的に理解させる。

授業計画

1.マテリアルズサイエンスとは
  ・機械構造用材料に使用される金属材料とは
  ・日常使用されている材料、工学材料についての説明と理解
2.材料の分類
  ・材料の分類  ・鉄鋼材料の分類  ・非鉄材料の分類
  ・材料の用途別分類及び成分別分類とその応用
3.金属材料の基本的性質(1)
  ・金属・合金の一般的特性  ・金属、合金の主な4つの特性についての説明
  ・ミラーの指数(数)、相則
  ・金属・合金の結晶構造  ・金属合金の基本的物性の説明
4.金属材料の基本的性質(2)
  ・金属の凝固と一次組織  ・平衡状態図
  ・変態点測定法  ・1成分系・2成分系
  ・合金に現れる諸相(固液体・金属間化合物)
5.二成分系平衡状態図(1)
  ・溶解度曲線(2成分系状態図の基本型式)
   1)全率固溶体型 2)共晶反応型
6.二成分系平衡状態図(2)
  ・溶解度曲線(2成分系状態図の基本型式)
   3)共析反応型 4)包晶反応型
7.二成分系平衡状態図(3)
  ・溶解度曲線(2成分系状態図の基本型式)
   5)金属間化合物 6)偏晶反応型 7)その他、混合型 8)実用状態図例
8.鉄と鋼(1)
  ・Fe-C系状態図
  ・鋼の組織、鋼を構成する元素
  ・鋳鉄の組織
9.鉄と鋼(2)
  ・鉄の変態と組織
  ・フェライトとオーステナイトの性質
10.金属材料の熱処理論(1)
  ・熱処理理論の基礎
  ・パーライト変態とマルテンサイト変態
  ・焼なまし、焼入れ、焼もどし
11.金属材料の熱処理論(2)
  ・恒温処理(マルクエンチ、マルテンバー 他)
  ・サフゼロ処理
  ・表面改質
  ・PVD、CVD
12.各種機械材料(1)
  ・ステンレス鋼(マルテンサイト系・フェライト系・オーステナイト系・二相系他)
  ・時効ステンレス鋼
  ・合金鋼
  ・先端材料
13.各種機械材料(2)
  ・銅及び銅合金
  ・アルミウム及びアルミニウム合金
  ・耐熱鋼及び耐熱合金
  ・機械材料選択の考え方
14.新素材と構成材料の特徴
  ・セラミックス
  ・超伝導材
15.環境材料
  ・材料と環境
  ・地球と人間を守る材料

評価方法と基準

講義出席、課題提出等の平常点(40%)と期末試験(60%)で評価する。
評価点は、満点100点でそのうち60点以上70点未満でC,70点以上80点未満でB及び80点以上でAとする。

教科書・参考書

テキスト:マテリアルズサイエンス・基礎編改訂II版(今井八郎著)
参考書:環境材料(今井八郎著)

履修前の準備

物理、化学の基礎の理解

学習・教育目標との対応

1.(A)学科の教育理念に基づき,設計・実験および卒業研究を中核として,人間環境および感性をも含めた総合的な視点で問題を捉えて機械を創成できる基礎的な知識と応用能力を身につける (1) 与えられた課題に対し,自ら考え,調査・検討し目的を達成する能力
2.(D)技術・工学の根幹をなす「物質」,「エネルギー」および「情報」を基盤とした機械工学の基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 力学,材料力学,熱力学,流れの力学の基礎 (2) 多く (17科目以上) の専門科目の習得

オフィスアワー

授業開講前後1時間に先端研(A103)

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合100%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:44:58 JST 2013