B0360400

環境調和型エネルギー工学

Sustainable Energy System Engineering

開講部

工学部

開講学科

機械工学第二学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
講師田中忠良この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

本年は、CO2の排出削減による温暖化対策を取り決めた京都議定書の第一約束期間の初年度にあたり、地球環境問題は世界で最も大きな課題の一つになっている。この問題は化石燃料の大量消費、生活と経済の向上のために開発された物質の大量廃棄等によって引き起こされている。
 この問題を解決するために地球環境問題の現状と発生メカニズム、人類と社会に与える影響と地球環境保全の対策などを理解し、環境に調和したエネルギーシステムを習熟必要がある。
そのため、環境保全のためのエネルギー技術の基礎として、熱エネルギーの特性を理解し、熱エネルギーから動力変換への代表例として電力発生技術を取り上げ、最先端の化石燃料発電等の動力サイクル、環境に調和した自然エネルギー発電、太陽電池、燃料電池などの直接発電の技術を理解し、各種のエネルギー技術の性能算出、評価法を習得する。

達成目標

1.(授業の進行度合いにより内容変更有り)

環境汚染の発生メカニズムと対策を理解する。
2.熱エネルギーの特性を理解し、エクセルギーの概念の導入により、エネルギーの有効利用(効率)と評価する手法を習得する。
3.各種の発電技術を理解し、特徴と必要技術を理解し、技術評価する素養を身につける。

授業計画

1.環境とエネルギー
  ・地球環境問題発生の経緯
  ・地球環境が人類と社会に与える影響
2.地球環境破壊の構図
  ・環境汚染の現状と発生のメカニズム
3.地球環境保全対策 
  ・国際協力による対策
  ・わが国の対策
4.環境再生技術
  ・低炭素燃料への改質
  ・CO2の回収・処理技術
  ・NOx,SOxの回収技術
中間試験
5.熱エネルギーの特性
  ・カルノーサイクルによる熱と仕事の関係
  ・エクセルギーの定義と算出法
6.エクセルギーによるエネルギー評価
  ・各種のエネルギー変換過程のエネルギー評価
  ・エネルギーとエクセルギーの評価の相違
7.熱エネルギー発電の基礎
  ・蒸気発電システム解析
8.熱エネルギー発電の評価
  ・エネルギーとエクセルギーによる評価
9.化石燃料発電プラントの向上
  ・化石燃料発電の最新技術
  ・性能向上のためのサイクル構成
10.化石燃料発電プラントの最新技術
  ・ハイブリッドシステムの特性
  ・コジェネレーションシステムの特性
11.自然エネルギー発電
  ・太陽電池と太陽光発電
  ・太陽熱利用技術
12.自然エネルギー利用発電
  ・風力発電
  ・海洋エネルギー発電
13.直接発電
  ・MHD発電
  ・熱電発電
  ・燃料電池
14.エネルギー貯蔵
  ・蓄熱
  ・蓄電
15.将来の環境・エネルギー技術
  ・環境を配慮したエネルギー技術の進展に必要な技術概論
16.期末試験(全範囲) 教科書・電卓使用可

評価方法と基準

達成目標1は中間試験1、達成目標2,3は期末試験で評価する。
科目の合否は(中間試験 50点)+(期末試験 100点)=150点を総合得点とし、最高得点を98点になるように得点率を算定し、得点が60%以上を合格とする。

教科書・参考書

教科書「環境エネルギー工学入門」田中忠良著(パワー社)
参考書 無

履修前の準備

特になし

学習・教育目標との対応

1.(A)学科の教育理念に基づき,設計・実験および卒業研究を中核として,人間環境および感性をも含めた総合的な視点で問題を捉えて機械を創成できる基礎的な知識と応用能力を身につける (1) 与えられた課題に対し,自ら考え,調査・検討し目的を達成する能力
2.(B)技術・工学が地球環境に与える負荷を十分認識できる基礎的知識と応用能力を習得する

オフィスアワー

授業終了後、あるいはメール(t.tanaka@eccj.or.jp)で対応

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合90%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:43:33 JST 2012