B0740700

創成ゼミナール

Seminar on Mechanical Engineering

開講部

工学部

開講学科

機械工学第二学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

必修

系列区分

専門

講義区分

演習
機械工学第二学科全教員

授業の概要

機械工学第二学科のカリキュラムは、エネルギー、物質、情報の3分野を柱として配置され、工学に対する興味が持て、将来展望に対する様々な進路に応じて履修計画ができるようになっていますが,機械工学の裾野は広く、通常の講義や実験・実習の中では接することのできない興味深い部分が多くあります。「創成ゼミナール」では、例えば、学科の教員が通常の授業の中では取り上げられないような事例・内容を取り上げ、機械工学をより広い視野から眺め、体験し、お互いに相互のコミュニケーションの中で、さらに機械工学を興味深いものにしようと試みるものです。講義のテーマや実施方法は、時代の変革とともにその一部が変更される場合もあります。学生はこれらのテーマから2つを選択し,それぞれ7回の講義で調査結果等の発表を行うことになる.

達成目標

1.学生各人が選択した分野に関する文献および情報等の検索と調査方法に習熟する.
2.調査結果から新たな問題を発見し,問題を文章としてまとめることができる.
3.調査結果および問題を文章としてまとめ,それらを総合的に工学的なプレゼンテーションができ,報告書としてまとめることができる.

授業計画

1.アルミニウムの押出加工
 本テーマでは冷間前方押出加工により段付き軸を作り,加工に必要な荷重,押出し部品の変形状態などを調べ,材料や力学の知識,加工や測定,評価方法を実際に体験することにより,材料特性と加工の結びつきについて理解を深めることを目的としている.
 授業内容は以下を予定している.なお大宮校舎で行う押出加工実験の日程調整は授業中に行う.
  1回:概要(理論,装置,方法,評価方法など)の説明
  2回,3回:押出加工実験(2回分まとめて大宮校舎4103室)
  4回:中間プレゼンテーション(実験結果・課題調査報告)
  5回:機械的特性評価
  6回:実験結果に対する討議,考察方針の検討
  7回:最終プレゼンテーション
2.ラジオメータの回転機構の考察と試作実験
簡単な翼構造を持ち、真空ガラス球内に支持され光を当てると回転するラジオメータを取り上げ、その運動機構を熱流体工学的に検討する。また回転翼部分を班毎に自作し、真空容器内で実際に回転させて回転速度を競う。高速回転させるためのアイディアや課題点を議論する。
3.「強さ」と「形」
 ケント紙により軽くて強い形の模型を作製し,「強さ」や「機能美」を競う.さらに,作製に向けての概念設計や強度計算等のプレゼンテーションも行う.
4.応力集中の理論と実際
機械や構造物の設計では,安全な構造を作ることが第一義的に重要である.そのために構造全体の応力分布を知り,材料特性や欠陥,応力集中を理解するなど広い知見から物理的センスを養う.応力集中の現象を各自が体験するために思考実験を試み,発表,討論を行う.非破壊評価法も同時に調べ,機械工学における学術的思考の資質を高める.
5.ヒートアイランド抑制方法を考える
都市部でのヒートアイランド現象は現在大きな問題となっている.マイクログリッドと呼ばれる地域電気・熱利用方式を検討し,実際に地域集中の分散エネルギー供給システムの効果を考える.どのような評価方法が可能か,またシステムが考えられるのか.個人・グループ単位で目的を考え,調査と工学的な側面から検討を行う.
6.二十一世紀の新社会システム「ゼロエミッション」の構築
 −宗谷地域エネルギー・プロジェクト−
北海道宗谷地域に位置する稚内市に設置されるNEDO研究委託のメガソーラー(発電能力:7Mw)および既設74基の風力発電(発電能力:78Mw)からの発電を用いて,宗谷地域の生活と社会活動をどのように構築するか,観光と産業の創出の面から10万都市稚内への再生の道を稚内市と共にfeasibility study(可能性調査)を行う.本年度は特に新世代電気自動車(タウンユースド・カー)を用いた「EV/pHVタウン」構想を提案する.
7.MATLAB/Simulinkを用いた人間−機械系のシミュレーション                 人間−機械系をブロック線図に示し,その応答特性をMATLAB/Simulinkを用いてシミュレーションし,伝達関数とボード線図に表すことを目的とする.この授業計画によりMATLAB/Simulinkの基礎が身につく.
8.構造物の動的設計(楽器の設計,製作)
構造物の振動特性,及び音響特性を考慮した動的設計について,鉄琴の設計,製作を通して学ぶことを目的とする.まず,はじめに振動解析に必要なデータ処理方法の一つであるフーリエ変換を学び,これを実現するためにMATLABによるプログラミングを習得する.次に,はりの厳密解を導出し,構造物の固有値,および固有ベクトルを理解する.最後に,製作した鉄琴の振動測定,音響測定を行うことで,所望の振動特性,及び音響特性の鉄琴が製作できたことを示す.
9.自動車等の輸送用機器を動かすエネルギーは将来何にとって変わるか?
 原油価格変動,排出ガス規制の影響など,輸送用機器を取り巻く状況は一層厳しさを増している.産業界では,昨今の燃料高の影響をコスト削減努力だけではもはや吸収しきれず,その結果,製品価格に上乗せせざるを得ない状態を招いている.このような状況を考えると,石油系燃料への依存度をさらに下げることは重要であると考えられる.本ゼミでは,自動車等,輸送用機器の動力に用いるエネルギーの問題を取り上げ,現状調査から何が問題なのかを分析する.さらに,その解決策,向かうべき方向性について検討する.
10.該当なし
11.該当なし
12.
13.
14.
15.

評価方法と基準

以下の番号は,授業計画の番号に対応します.1から9番号のテーマによる評価方法は異なるが、各テーマは100点または100%(%は点に変換)で評価し、成績評価は、総合計/9テーマの平均点とし、60点以上を合格とする.
1.発表内容50%,レポートの内容50%で評価します.
2.プレゼンテーション50%,レポート50%で評価.
3.発表内容(OHP,ポスター)(30%),工作物(50%)および競技結果(20%)
4.課題を分担し調査,研究,モデル実験を行う.その内容をプレゼンテーション,全員参加で討論し理解を深める.評価はこれらのすべてにわたって採点,その目安は研究レポート50%,プレゼンテーション50%(グループ)を100点とする.
5.課題に関する第1段階調査レポート・発表50%・最終発表50%で100点満点とする.
6.評価は出席が2/3以上の者で,各自の調査結果とそのプレゼンテーション50%,口頭試問および提出された補足資料の評価・課題への取り組み,授業への積極的な参加状況,受講者の発言などを50%とする.
7.プレゼンテーション40%,レポート40%および授業の取り組み20%により評価する.
8.発表内容50%,レポートの内容50%で評価します.
9.プレゼンテーション(内容,発表資料の完成度を含む)50%,提出レポート50%で評価します.

教科書・参考書

各教員が資料等を作成、適宜指示する.

履修前の準備

特に履修前準備を必要としないが、選択したテーマに対する基礎知識の習得は授業をよく理解し、効率よく進めていくために必要である。

学習・教育目標との対応

1.(A)学科の教育理念に基づき,設計・実験および卒業研究を中核として,人間環境および感性をも含めた総合的な視点で問題を捉えて機械を創成できる基礎的な知識と応用能力を身につける (1) 与えられた課題に対し,自ら考え,調査・検討し目的を達成する能力
2.(D)技術・工学の根幹をなす「物質」,「エネルギー」および「情報」を基盤とした機械工学の基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 力学,材料力学,熱力学,流れの力学の基礎 (2) 多く (17科目以上) の専門科目の習得
3.(E)機械工学における基盤分野の理解に必要な基礎的な数学の知識と応用能力,実験・分析の遂行に必要な確率・統計,情報処理の基礎的な知識や自然現象を数学的にモデル化し,シミュレーションする基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 基礎的な数学の知識 (2) 実験データの分析能力 (3) 情報リテラシの習得 (4) 自然現象をモデル化し,シミュレーションする能力
4.(G)技術的な討議や情報交換等のコミュニケーションが行える知識を習得する (1) 日本語による技術者としてのコミュニケーション能力 (2) 英語による基礎的なコミュニケーション能力

オフィスアワー

土曜日全日、「基本的に毎日」をモットーに研究活動を積極的に行っているので、研究室在室中ならいつでもOKです。(江角)Eメール、電話でも対応します.ezumi@sic.shibaura-it.ac.jp; (03-5859-8063)
研究室に在室中はいつでも対応します(田中,澤田,高崎,青木,小野,鴨志田,細矢,斎藤)

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:45:25 JST 2013