B0420600

冷凍・空調工学

Heating/Refrigerating & Air Conditioning Engineering

開講部

工学部

開講学科

機械工学第二学科

開講学年

4年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授鴨志田隼司この授業の2008年度のアンケートを参照

授業の概要

「冷凍工学」と「空調工学」の原理を熱工学的に学習し,快適性空間創造のための対応策やシステムとしての最適化を理解させる.そのうえでハードとしての冷凍工学とソフトである空調工学を工学的に総合する方法を習得させる.また可能な限り,学内・外に設置された冷凍・空調機器システムを見学させ実際の機器との整合性を補うように学習させる. 講義内では,なるべく実際のものに触れながら学習し,特に冷凍・空調機器システムに関しては,学外の見学会や企業の人を招いての特別講義など,実際の機器と講義内容の整合性を補えるように学習します.

達成目標

1.物体および空間の温度を環境温度以下に冷却する冷凍サイクルの概念とその技術的方法が理解できる.
2.蒸気圧縮冷凍機,吸収冷凍機などの冷凍システムに関して,熱力学特性を用いて理論サイクル計算ができる.
3.室内空気環境の制御に必要な湿り空気の性質と湿り空気線図が理解でき,混合,気液平衡について理解し,実際の計算ができる.
4.将来、国家試験(冷凍空調技士、食品冷凍技士、1・2・3種冷凍機械責任者)の受験を目指せる実力を養成させる.

授業計画

1.生活環境における冷凍・空調の役割
 ・低温環境利用の概要
 ・低温を発生させる方法と技術革新,それらの特徴
2.蒸気圧縮冷凍サイクル(1)
 ・蒸気圧縮冷凍サイクルの概要と理論サイクル
 ・成績係数とph線図,Ts線図
3.蒸気圧縮冷凍サイクル(2)
 ・実際の運転サイクル条件の性能への影響
 ・冷凍機の各種効率と性能係数
4.吸収冷凍サイクル(1)
 ・吸収冷凍サイクルの作動原理
 ・一重効用冷凍機の構成
5.吸収冷凍サイクル(2)
 ・サイクル性能の計算
 ・h−ξ線図,成績係数の計算
6.吸収冷凍サイクル(3)
 ・小型アンモニア吸収冷凍機
 ・その他の方式
7.中間試験
8.空気調和理論の基礎
 ・快適用空気調和,産業用空気調和
9.温熱環境指標の概要と熱的快適性
 ・人間と熱環境とのかかわり,人体と環境との間の熱平衡式
10.空気調和負荷
 ・空気調和負荷の形態と種類,湿り空気線図と空調プロセスの実際
11.湿り空気と混合
 ・混合,加熱計算
12.空気調和計画
 ・各種空調方式および熱源方式,省エネルギーシステム
13.地域冷暖房計画(熱源プラントと熱供給方式
 ・地域冷暖房とコージェネレーションシステム)
14.特別講義または学外見学会 他大学や企業の講師による講義
 ・第一線で活躍している国内外の研究者技術者から講義に関連する最新の基礎知識を学ぶ.
15.期末試験

評価方法と基準

【評価基準】講義内に実施するミニテスト,中間試験と期末試験で評価する.期末試験の結果を40点,中間試験の結果を30点,ミニテストの結果を30点とし,合計100点において60点以上を合格とする.なお試験とミニテストを受ける際は,関数電卓を準備する必要がある.

教科書・参考書

教科書:日本機械学科編 「熱力学」 丸善
参考書:日本冷凍空調学会編「冷凍空調技術冷凍編,空調編/上級標準テキスト」
    関信弘編「低温環境利用技術ハンドブック」森北出版

履修前の準備

人と熱環境に係わる冷凍と空調技術を学際的に扱うため,人間科学および地球環境概論に係わる基礎系科目と,熱力学1・2,基礎伝熱学,環境調和型エネルギー,エネルギー・環境概論を履修しておくことが望ましい.

学習・教育目標との対応

1.(B)技術・工学が地球環境に与える負荷を十分認識できる基礎的知識と応用能力を習得する
2.(D)技術・工学の根幹をなす「物質」,「エネルギー」および「情報」を基盤とした機械工学の基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 力学,材料力学,熱力学,流れの力学の基礎 (2) 多く (17科目以上) の専門科目の習得

オフィスアワー

講義後または研究室(豊洲04-D-32)にて随時対応いたします.またメールにての問い合わせに対応します(kamosida@sic.shibaura-it.ac.jp)

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合20%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:45:34 JST 2013