C0640700

機能材料

Functional Materials

開講部

工学部

開講学科

材料工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授村上雅人この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

新しい機能を持った材料が登場すると、それまでの技術があっというまに新しい技術にとって変わられる。これが機能材料の宿命である。現状に安穏としていると、新しい材料が登場したとたん、市場をすべて失うということがしばしば起こる。パソコンの材料として軽くて丈夫なマグネシウム合金が採用されたとたん、消費者がこぞって、この製品を購入したため、在庫がなくなったという大騒ぎは記憶に新しい。
本講義では、開発競争の激しい機能材料の分野を、機能の基礎を整理したうえで、実際の材料開発に関する現状を紹介する。

達成目標

1.材料の機能が、その応用にどのように関わっているかを、基本的な性質から理解する。
2.実用材料に関して、どのような機能が必要とされるかを理解するとともに、なぜ、実用化が可能になったかに関して理解する。

授業計画

1.周期律表と元素の特性 材料の機能を決定する基礎となる元素の特徴について周期律表をもとに、特徴を理解する
2.元素の電子構造  材料の構成要素となる元素の電子構造と、電子構造によって決定される元素の特徴を理解する
3.材料の構造   単体元素からなる材料および元素混合によって得られる材料の特徴について理解する。
4.電気伝導性(1)  材料中でオームの法則が成立する理由について電子論的な立場から理解するとともに、電気伝導性にすぐれた材料の特徴を理解する
5.電気伝導性(2)  半導体材料の電気伝導機構について理解するとともに、周期律表における半導体材料の位置づけを学習する
6.半導体材料(1)  代表的な半導体材料であるシリコンとp型およびn型半導体について学習する
7.半導体材料(2)  np接合型ダイオードおよびpnp型トランジスターの機能と固体素子における役割について学習する
8.磁性による材料の分類  材料を磁性で分類するとともに、強磁性は反磁性などが得られる機構を理解する
9.磁性材料の応用  材料が磁性によって、どのような分野に応用されるかを学習する。特に永久磁石材料の開発と応用について歴史的な意義を復習する。
10.セラミックス  セラミックスと金属との違いを結晶構造、元素、電子構造などによって理解するとともに、その応用
11.材料の相変態と機能 材料の機能を引き出すためには、相変態が積極的に利用されている。マルテンサイト変態などを例にとり、材料の機能と相変態の関係を理解する
12.超伝導材料  完全電気伝導性の機構を理解するとともに、どのような分野に利用されているかを学習する
13.無重力環境と機能  無重力環境が材料プロセスにどのような影響を与えるかを概観するとともに、機能制御の可能性について学習する
14.材料の機能と応用  現在、各分野で利用されている材料とその機能を紹介し、どのような理由で材料が採用されたかについて理解する
15.定期試験

評価方法と基準

演習   40% 毎回授業時に講義内容に関連した演習問題を課す
定期試験 60% 講義の最終日に試験を行う

教科書・参考書

参考書:「元素を知る事典」村上雅人、海鳴社

履修前の準備

特になし

学習・教育目標との対応

(D)金属、セラミックス、有機材料の三大材料、更に分化した各種材料の性質と用途を理解する。
(F)原子分子レベルで材料を理解し、物質科学的な材料分析法、処理法の知識を得る。

オフィスアワー

事前のアポイントをとれば、いつでも研究室にて対応可能

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合50%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:45:39 JST 2013