C0200000

鉄鋼材料

Ferrous Alloy Materials

開講部

工学部

開講学科

材料工学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授今井八郎この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

金属材料のなかでも広範囲に利用されている鉄鋼材料について概説する。素材の化学成分及び熱処理法により、その性質が大きく変化することを材料科学の基礎理論にもとずいて理解させる。また各種鉄鋼材料の特性についても講義する。古くて新しい材料である鉄鋼について、その根本的な問題それにもとづくマテリアルズ・サイエンスを中心に講義する。
鉄鋼材料を取り扱う上での環境に対する配慮、及び今後の資源不足を補うためのリサイクル法などについて概説する。省エネルギーによる製法、リサイクルなどについても講義する。

達成目標

1.鉄鋼材料の基本的性質と金属材料に不可欠なマテリアルズサイエンスの基礎を理解させ、修得させる。

授業計画

1.鉄鋼材料の分類
  ・材料の分類、・普通鋼と特殊鋼、・鉄と鋼
2.鉄鋼材料の製造法(1)
  ・製鉄法の概要(原理、方法、原料)
  ・製鋼法の概要(転炉、電気炉、路内反応)
3.鉄鋼材料の製造法(2)
  ・造塊と化学成分、・粗鋼から製品までの工程
  ・連続鋳造法、・これからの鋼の製造法、
  ・公害の問題
  ・鉄鋼材料のリサイクル方法
4.炭素鋼の機械的性質と化学的性質
  ・鋼を構成する元素 ・鋼の塑性加工
  ・鋼の変化と組織
  ・フェライト及びオーステナイトの性質
5.Fe-C(Fe3C)状態図
  ・Fe-C系状態図の概説
  ・炭素鋼の標準状態図の組織と性質
  ・炭素量と組織の関係
6.鉄鋼の欠陥
  ・ウッドマンステッテン組織(Widmannstatten)
  ・Aぜい性(500°Fぜい性)
  ・縞状組織(Band Structure)・白点(Flake)
  ・集合組織(Texture・熱間ぜい性(Red
   Shortness))・その他
7.鋳鉄
  ・鋳鉄の組織及び性質(ねずみ鋳鉄,ノジュラー鋳鉄,白心可鍛鋳鉄、黒心可鍛鋳鉄)
  ・鋳鉄の用途、・合金添加元素の影響
8.鉄鋼材料の諸性質に及ぼす合金元素の影響
  ・フェライト、オーステナイト、マルテンサイトなど組織に及ぼす影響
  ・機械的性質に及ぼす影響
  ・化学的性質に及ぼす影響 ・その他
9.鋼の熱処理理論(1)
  ・鋼の熱処理理論の基礎 ・パーライト変態
  ・マルテンサイト変態
  ・焼なまし、焼入れ、焼もどし
10.鋼の熱処理理論(2)
  ・球状化焼なまし ・鋼の表面硬化法
  ・サブゼロ処理  ・恒温処理
  ・S曲線、ジョミニー試験
11.鋼の熱処理理論(3)
  ・質量効果 ・理想臨界直径、ID
  ・Hバンド・熱処理による機械的性質の変化
  ・省エネルギー熱処理法
  ・無公害熱処理法
12.特殊鋼(1)
  ・ステンレス鋼、耐熱鋼
13.特殊鋼(2)
  ・高合金鋼、高強度鋼
14.鉄鋼材料の規格
  ・規格の読み方とその利用法
  ・鉄鋼材料利用法に対する最近のトピックス
15.特殊鋼の性質まとめ
  ・特殊鋼とは ・特殊鋼の種類とその性質
  ・鉄鋼材料を使用する場合の考え方

評価方法と基準

講義出席、課題提出等の平常点と期末試験で評価する。

教科書・参考書

マテリアルズサイエンス・基礎編改訂II版(今井八郎著)

履修前の準備

鉄鋼材料関係のマスコミ報道のチェック
二成分系状態図の理解

オフィスアワー

事前にアポイントをとれば、いつでも研究室にて対応可能

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合100%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:43:57 JST 2012