C0870000

応用有機材料

Applied Organic Materials

開講部

工学部

開講学科

材料工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
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授業の概要

 実用化された有機材料の概要、工学的・技術的意義とその応用について概説する。有機高分子材料の合成、構造と性能・機能発現の技術原理、加工技術、製品設計の考え方等に重点をおいた講義とする。 工学を学ぶ学生が社会に出て仕事をする上で重要な材料、特に進展の著しい有機材料を中心に応用有機材料を学び、具体的応用例から、技術原理、材料設計の考え方や有機材料が果たす役割を理解し、技術革新や環境問題において工学特にエンジニアが果たす役割の重要性を学ぶ講義とする。

達成目標

1.基本的な有機材料の構造と性能、実用化された用途分野、技術原理等について理解し、基本的な説明・議論ができる。

授業計画

1.応用有機材料概要:有機材料とは、新技術が拓く技術革新と歴史、工業化社会において材料が果たす役割と使命、講義の進め方
2.高分子材料設計:高分子の概念の発見・証明とノーベル化学賞(H.Staudinger);有機材料の構造と性質、高分子と分子量、重要な特性、熱可塑性材料と熱硬化性材料、
3.結晶性材料1;ポリエチレンの発見:第二次世界大戦の流れを変えたレーダー誕生とポリエチレン、高分子結晶、折りたたみ構造、低圧法ポリエチレン発見とノーベル化学賞(K.Ziegler)、結晶性と密度、その工業的意味、製法と加工、高分子固体は流れる
4.結晶性材料2;ポリプロピレンの発見:立体構造のコントロールとノーベル化学賞(G.Natta)、立体規則性構造、透明性と不透明化の制御、環境に優しい最軽量で高速加工性の材料
5.非結晶性材料1;ポリスチレン:リビングポリマー、ブロックコポリマーの合成と工業化実現、合成ゴムの世界、非結晶性材料の構造と特性、金型転写性、電気・電子・包装用透明容器材料
6.非結晶性材料2;PMMA:透明とは、透明材料の応用、電磁波、光の波長と性質、直進性、屈折、反射、干渉、散乱等基本的性質と光学、エレクトロニクス、自動車分野等への応用
7.非結晶性材料3;光学用材料:レンズ、非球面レンズ、光学フィルム(写真フィルム、反射防止膜、導電透明膜)、光ディスク、導波路と導光板、高速高密度光情報通信時代を拓くGI型POF、POFとオプトエレクトロニクス
8.複合材料;複合有機材料;ハイブリッド材料、界面と表面処理、接着とは何か、シランカップリング剤、GFRPとCFRP、易接着材料、複合化と相溶性(濡れ)、相乗効果、複合化による自動車、航空機の技術革新、有機と無機の融合の時代へ、
9.ポリマーアロイ:溶解とは(相容と非相容)、異種材料間の特長を活かし欠点を補う材料合成へ、界面接着、溶解度パラメーター、相溶化剤、ミクロ相分離、非相溶性アロイとポリマーアロイの工業的意義、ABS樹脂
10.合成ゴム;ゴムの発見、ゴムとは、ゴム弾性、分子構造、合成ゴムと天然ゴム、ゴムの応用と加工、スーパータフ材料の設計、自動車とゴム、タイヤと摩擦、建築物耐震強度とゴム免震構造・装置
11.機能性材料1;エンジニアリングプラスチックス(エンプラ)、金属に代わる有機材料、機能と性能、高耐熱性材料(スーパーエンプラ)、プリント基板等電気・電子、情報・表示装置、自動車・航空・宇宙等の分野への応用
12.機能性材料2;燃焼とは、アポロとソユーズ、酸素濃度と燃焼範囲、燃焼と爆発、火災と人命保護、難燃材料、難燃性試験方法と難燃性評価世界基準、難燃剤と安全性評価、摩擦と磨耗とは、超高分子量ポリエチレン、潤滑剤、自己潤滑性材料
13.機能性材料3;導電性高分子;導電性ポリアセチレンの発見とノーベル化学賞(白川英樹)、導電原理、帯電防止材料から高導電性材料まで、フォトレジスト、感光性プラスチックス
14.環境対応材料;環境と有機高分子、グリーンケミストリー、地球温暖化と温室効果ガス(Greenhouse gas)、バイオプラスチック(カーボンニュートラル)、環境負荷、資源問題、LCA,リサイクルと課題
15.試験

評価方法と基準

評価方法:試験70%(期末、1回)と小試験30%(授業中、3回実施)で評価する。
評価基準:期末試験と小試験の合計点60点以上を合格とする。

教科書・参考書

【教科書】配布資料
【参考書】現代化学展望(陪風館)、新高分子化学序論(化学同人)等

履修前の準備

配布資料、参考資料の自習、質問

オフィスアワー

1.講義終了後、講義室または講師控え室
2.E-Mailも可能:
ZAN14601@nifty.com(自宅)
 または;i970041@sic.shibaura-it.ac.jp(芝浦工業大学)

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合20%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:44:20 JST 2012