D0072100

物理化学2

Physical Chemistry 2

開講部

工学部

開講学科

応用化学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授今林慎一郎この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 物理化学は化学の基本的原理を学ぶ分野である。物理化学1では、物質を原子・分子の集合体として巨視的(マクロ)な立場から考察する化学熱力学の初歩を学んだ。物理化学2では、化学熱力学の重要な概念である[自由エネルギー]の考えを利用して、物質の相間移動における平衡、化学反応の平衡について学ぶ。さらに後半では、反応速度について学ぶ。反応速度論では化学変化(平衡からのずれ)を取り扱う。 また[平衡と反応]の概念を理解する。

達成目標

1.熱力学の基本的概念の把握、特に[自由エネルギー]と相間平衡、化学平衡の考え方に慣れること。
2.純物質、希薄溶液、ニ成分系の性質を理解する。
3.化学平衡、すなわち[化学反応はどこまで進むか]について熱力学的に考える。
4.反応速度論の基本的理解、特に[平衡と反応]の概念を把握する。
5.反応速度式の求め方、得られた反応速度式から、反応機構(どのように化学反応が進行するか?)の推定法を学ぶ。

授業計画

1.化学熱力学(平衡)と反応速度論(反応)の概念
   物理化学1で学んだ内容の復習、物理化学2で学ぶ内容の概論
2.相平衡(第5章)
   相転移の熱力学、物質の状態変化、相図(相境界)
3.相平衡(第5章)
   相律、自由度、代表的な1成分系の相図
4.相平衡(第6章)
   混合物の熱力学的記述
5.相平衡(第6章)
   理想溶液、理想希薄溶液、実在溶液
6.相平衡(第6章)
   溶液の束一的性質(沸点上昇、凝固点降下、浸透圧)
7.相平衡(第6章)
   混合物の相図(2成分系、3成分系)
8.中間試験
   第7回までの授業で学習した範囲の理解度チェック
9.化学平衡(第7章) 
   化学反応はどこまで進行するか?  
   平衡定数、平衡に与える温度、圧力の影響(ル・シャトリエの原理)
   平衡状態と化学変化
10.反応速度論(第10章)
   化学反応はどのように進むか?
   反応速度式(速度定数、反応次数)
11.反応速度論(第10章)
   積分形速度式(0次反応、1次反応、2次反応)
12.反応速度論(第10章)
   反応速度の温度依存性(アレニウス式)
   反応速度の理論的考察(衝突理論、絶対反応速度論)
13.反応速度と温度(第11章)
   平衡に近い反応
   反応機構(競争反応、逐次反応、素反応、律速段階、定常状態の近似)
14.反応速度の理論(第11章)
   色々な反応機構(酵素反応、単分子反応、連鎖反応など)
15.期末試験
   第9回〜第14回の授業で学習した範囲の理解度チェック

評価方法と基準

演習(数回)30%、中間試験35%、期末試験35%を100点とし、総合得点60点以上を合格とする。

教科書・参考書

[教]アトキンス「物理化学要論、第4版」東京化学同人 (物理化学1と同じ)
[参]小宮山宏「入門熱力学 実例で理解する」培風館
   増田高廣 編 [物理化学要論] 宣協社

履修前の準備

物理化学1の履修

学習・教育目標との対応

1.(B)無機化学,有機化学,物理化学,分析化学,生物化学,化学工学,高分子化学,材料化学等の応用化学の基礎知識と,その応用能力.

オフィスアワー

授業や会議、特に忙しい時以外はいつでも。出来る限り、メールでアポを取ってから来てください。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:44:26 JST 2012