D0300600

光化学

Photochemistry

開講部

工学部

開講学科

応用化学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授今林慎一郎この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 光化学は光が生体や物質に作用したときにそれら物体にどのような変化(反応)が引き起こされるかを扱う学問であり、それら変化の本質を分子レベルで理解することが目標である。出発点である物質(分子)による光吸収や光吸収によって起こる現象、光吸収に続いて起こる光化学の素過程を学習することが中心であるが、光化学反応(光吸収によって起こる反応)と熱活性によって起こる反応の差異についても理解したい。また、光エネルギーの利用例として光合成、光触媒、色素増感太陽電池についても学習する。
 現在、地球環境に配慮し、温暖化を進行させない技術開発が求められている。太陽エネルギーの利用はそれを可能にする有効な手段であり、その基礎を理解するためにも光化学の学習は重要である。

達成目標

1.光化学に登場する用語を正しく理解する。
2.物質による光吸収、すなわち光と物質(分子)の相互作用について理解する。
3.分子のエネルギー状態図および光吸収に続いて起こる光化学の素過程を理解する。
4.光化学反応(光吸収によって起こる反応)と熱活性によって起こる反応の差異を理解する。

授業計画

1.イントロダクション
   光化学とはどのような学問か?、どのような事項を学習するのか?
2.光とは何か?
   光(紫外光、可視光、赤外光)のエネルギー
   光源とエネルギー
3.分子のエネルギー状態と電子状態(1)
   分子の振動レベルと赤外光
   電子励起状態と分子の電子状態
4.分子のエネルギー状態と電子状態(2)
   1重項状態と3重項状態
   Jablonski図
5.光化学の素過程と時間スケール
   素過程の基本概念
   素過程の時間スケール
6.分子と光の相互作用(1)
   分子による光吸収とは
   光吸収と電子遷移
7.分子と光の相互作用(2)
   光吸収の強弱(電子遷移の選択則)
   吸収スペクトル、発光スペクトル
8.分子に光をあてると何が起こるか(1)
   光化学反応機構の基本概念
   光反応における反応活性種
9.分子に光をあてると何が起こるか(2)
   光化学の初期過程
10.前半の復習と問題演習
   9回目までに学習した基本事項を問題演習を通して復習する。
11.光合成(1)
   光合成のあらまし
   明反応と暗反応
12.光合成(2)
   エネルギー変換効率
13.光エネルギーの利用(1)
   光触媒とその応用
14.光エネルギーの利用(2)
   色素増感太陽電池の原理と展望
15.期末試験

評価方法と基準

レポートあるいは演習(数回)40%、期末試験60%を100点とし、総合得点60点以上を合格とする。

教科書・参考書

教科書は特に定めないが、井上晴夫・高木克彦・佐々木政子・朴鐘震 共著 「光化学1」 (丸善)を参考書として推薦する。

履修前の準備

物理と化学の基礎を理解できること

学習・教育目標との対応

1.(B)無機化学,有機化学,物理化学,分析化学,生物化学,化学工学,高分子化学,材料化学等の応用化学の基礎知識と,その応用能力.

オフィスアワー

授業や会議、特に忙しい時以外はいつでも。出来る限り、メールでアポを取ってから来てください。

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合20%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:46:22 JST 2013