D0550600

資源化学

Resource Chemistry

開講部

工学部

開講学科

応用化学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
講師大田正人この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

無機系資源を地殻における存在状態から利用までを概説する.
地球は大きな化学工場という観点で,平均組成である地殻からどのような過程を経て人類が利用しうる状態まで濃縮されるか.同じ資源が,生成過程の相違により各種処理方法・用途がどのように選択されるか.資源を利用するときの副産物,使用済みの産業廃棄物がどのように回収利用され新しい資源となるか.等,化学の立場で資源の成因・存在状態・処理・利用の基礎知識を一貫して習得する.

達成目標

1.平均組成である地殻から資源が濃集される過程を理解し,地球環境における資源のおかれている位置と環境に与える影響を認識する.
2.工業原料として得られる天然資源の条件と,効率的な利用の現実を認識できる.
3.製造過程の副生成物や,回収過程を理解し環境に与える負荷過程の軽減を認識できる.

授業計画

1.人間も資源である
  ・広い定義・狭い定義における資源の認識     ・人間生活と資源
  ・未利用物資の資源化・必要資源の開発
2.地球と資源
  ・元素と存在度?人間が使える資源の量   ・資源化学を学ぶための鉱物学の常識
3.マグマに起因する鉱床(1)
  ・マグマが冷却していく過程で生成する鉱床
4.マグマに起因する鉱床(2)
  ・マグマ冷却の末期に生成する鉱床     ・熱水鉱床
5.堆積鉱床(1)
  ・環境の化学条件の変化により生成する鉱床
6.堆積鉱床(2)
・蒸発等,溶解度の差異により生成する鉱床
  ・生物が関与して生成する鉱床
7.堆積鉱床(3)
  ・風化作用により生成する鉱床
  ・環境が風化過程に与える影響
8.変成鉱床
鉱床成因のまとめ
重要な金属資源について
9.成因と利用法
  ・珪酸質原料を例として,成因とそれによる利用方法の相違
10.資源の組成と利用方法
  ・長石質原料?固溶関係と,カリ長石がなぜ陶磁器原料として優秀か
11.資源の構造と利用方法
  ・粘土質原料;構造の相違とその特質の利用  ・ゼオライト;特殊構造形成とその利用
12.採取方法と回収資源
  ・微生物を利用した資源の回収   ・回収資源と天然資源
13.石灰石物語(1)
  ・日本で自給できる資源である石灰石と人間生活の関わりを,実際の産業の中でCaOの流れとして追う
14.石灰石物語(2)
15.その他の資源
  ・各種無機質資源の各論とその利用
・トピックス

評価方法と基準

講義終了時に毎時間小テストを実施(80%)
レポート(20%)で評価を行う.
総合得点の60%以上を合格とする.
それぞれの教育目標に対する割合は、B:70%、C:30%

教科書・参考書

教科書:使用しない
参考書:工業原料鉱物資源(修学館)

履修前の準備

セラミックス化学を履修しておくことが望ましい

学習・教育目標との対応

1.(B)無機化学,有機化学,物理化学,分析化学,生物化学,化学工学,高分子化学,材料化学等の応用化学の基礎知識と,その応用能力.
2.(C)人類が生存している自然環境を理解し,化学技術者として技術が社会や自然に与える影響を判断できる能力

オフィスアワー

授業終了後,研究室にて

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合20%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:46:25 JST 2013