E0110600

電子基礎物理

Fundamentals of Electronic Physics

開講部

工学部

開講学科

電気工学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
講師秋光正子この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

[授業の概要]
物質の電気、磁気的性質は、物質を構成している原子同士の配列と、原子内外の電子の振舞いによって理解できる。この授業ではこの鍵をにぎる電子の性質や振舞いについて基本的な理解を得ることを目的としている。はじめに量子力学の基本的な考え方を学び、電子を量子力学的粒子及び波動として扱う基本を理解する。次に物質を多数の原子が結合した系とみて共有結合や金属結合における電子の役割を考える。金属中の伝導電子の振舞いについては、自由電子モデルの考え方を中心に学ぶ。さらに電子の従う量子統計力学の基本的な考え方を学ぶ。

達成目標

1.量子論の基本的な考え方を理解する。シュレーデンガー方程式の意味を理解し、簡単なポテンシャルの場の中での電子(粒子)のエネルギーを計算できる。
2.伝導電子の自由電子モデルの考え方を理解する。
3.フェルミ・ディラック分布関数の意味を理解し、伝導電子のフェルミエネルギー等の計算に応用できるようになる。

授業計画

1.量子力学入門1   (物質の粒子性と波動性)
2.量子力学入門2  (ハイゼンベルグの不確定性原理)
3.量子力学入門3  (シュレーディンガー方程式)   小レポート1
4.量子力学入門4  (井戸型ポテンシャルの中の粒子)
5.原子の構造1   (水素原子中の電子のシュレーディンガー方程式)  小レポート2
6.原子の構造2   (1電子原子の電子状態)   小レポート3
7.金属の中の伝導電子1 (金属になる元素群の電子配置)
8.金属の中の伝導電子2 (なぜ多くの単体が金属となるか)
9.伝導電子の自由電子モデル1 (伝導電子のエネルギー状態密度)
10.伝導電子の自由電子モデル2 (伝導電子のフェルミエネルギー)   小レポート4
11.統計力学の考え方1    (フェルミ・ディラック統計の考え方)
12.統計力学の考え方2     (フェルミ・ディラック分布関数)
13.統計力学の考え方3     (金属のフェルミ準位、伝導電子の熱平衡状態)   小レポート5
14.統計力学の考え方4    (結晶固体中の電子、まとめ)
15.期末試験 上記1から14まで均等なウェイト

小レポートは提出を義務づけ、添削評価の後返却する。解答も示す。

評価方法と基準

達成目標1は、小レポート1,2,3、 達成目標2は、小レポート4、 達成目標3は、小レポート5により評価する。
科目の合否は、小レポート5回と期末試験との総合点で評価し、総合得点率が60%以上を合格とする。

教科書・参考書

参考書:電気学会編(電気学会大学講座)「電子物性基礎」(オーム社)
    溝口 正著「物質科学の基礎,物性物理学」(裳華房)
    A.バイザー著 佐藤猛 他訳 「現代物理学の基礎」(好学社)

本講義前半の量子力学、後半の熱統計力学の内容に関してはそれぞれ優れた名著が数多くあるので、授業中に紹介する。

履修前の準備

[履修前の準備]
現代物理学を履修しておくと前半の授業内容の理解に非常に役立つ。

学習・教育目標との対応

1.D3:電気工学の専門分野における理論と技術を学び、これら知識を駆使することにより,与えられた課題を解決することができる。

オフィスアワー

月曜日1時限終了後おおむね5時頃まで3号館1階物理実験室にて。
木曜日2時限終了後おおむね5時頃まで3号館1階物理実験室にて。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:46:49 JST 2013