E0611300

電子物性論

Solid-State Physics for Electrical Engineers

開講部

工学部

開講学科

電気工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授西川宏之この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

概要
電子物性論は、電子の振る舞いにさかのぼって物の性質を論ずる分野である。急速に進展を見せる現代の各種先端技術の仕組みを理解するためには、電磁気学をはじめとする古典物理学の枠を超えて、電子や光を微視的な立場からとらえる量子論の知識が不可欠である。本講義では、電気工学を支える物質の種々の電気的、磁気的、光学的な性質を物質中の電子の振る舞いから明らかにする。

一般目標
本講義では金属、半導体、誘電体から磁性体に至るまで、電気工学分野において重要な各種物質の電子物性を基礎的知識と計算力を身につける。

達成目標

1.物質の性質を、電子の粒子性・波動性に基づく量子論的な視点から説明できる。
2.金属、半導体、絶縁体の構造と電気的特性に関する基礎的な計算が出来る。
3.各種の電気・電子応用技術において、それらの機能がどのように材料の物性により実現されているかを説明することが出来る。

授業計画

1.物質の構造(1)
ガイダンス、量子論の復習、原子内の電子配列、化学結合と結晶、結晶構造
2.物質の構造(2)
格子振動、電子の集団の扱い
(Short Test 1)
3.金属
金属の自由電子モデル、電気伝導
4.半導体(1)
化学結合、周期的ポテンシャル内の電子、エネルギーギャップ、エネルギーバンド図
5.半導体(2)
バンド内の状態数、バンド内の電子の運動、金属と半導体
6.半導体(3)
半導体の電気伝導
(Short Test 2)
7.中間試験
第1回から第6回目までの講義内容を対象とする。
8.誘電体(1)
物質と極性、物質の分極
9.誘電体(2)
分極形成過程と誘電分散、緩和時間、強誘電体
10.誘電体(3)
キャリアの起源、移動機構、電気伝導特性
(Short Test 3)
11.物質の光学的性質(1)
光の放出と吸収、ルミネッセンス、
12.物質の光学的性質(2)
反転分布、レーザ発振の原理
(Short Test 4)
13.磁性体(1)
磁気モーメントの起源、常磁性
(レポート課題)
14.磁性体(2)
反磁性・強磁性
(Short Test 5)
15.最終日
期末試験
第8回から第14回までの講義内容を対象とする。

評価方法と基準

以下の方法により評価する。
達成目標1 Short test 1,2、中間試験
達成目標2 Short test 3,4、中間試験、期末試験
達成目標3 Short test 5、レポート課題、期末試験

小テスト:20%、レポート:20%、中間試験:30%、期末試験:30%の割合で総合得点を決める。総合得点が60点以上の場合、合格とする。

教科書・参考書

参考書:大場勇治郎電気学会大学講座「電子物性基礎」(オーム社)、岩本光正著、「よくわかる電気電子物性」、大木義路編著「誘電体物性」(培風館)

履修前の準備

電子基礎物理を履修しておくことが望ましい

学習・教育目標との対応

1.D3:電気工学の専門分野における理論と技術を学び、これら知識を駆使することにより,与えられた課題を解決することができる。

オフィスアワー

相談時間)水曜日5限(16:20)以降(アポイントをとることが望ましい)。電子メールによる質問も受け付ける。
連絡先)居室: 11A32, 電話:内線(8217), 電子メール :nishi@sic.shibaura-it.ac.jp

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:45:11 JST 2012