E0181700

電子デバイス

Electronic Devices

開講部

工学部

開講学科

電気工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授西川宏之この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

概要
現代のエレクトロニクスにおいては、電子デバイスおよび集積回路はシリコンを中心とする半導体結晶をベースに作製されている。本講義は半導体の基礎物性を出発点として、最終的には各種半導体デバイスの動作原理を理解することを目的とする。さらにLSIなどの半導体の製造プロセス技術および評価技術についても概説する。

一般目標
半導体の基礎物性の知識をベースに、pn接合、バイポーラトランジスタ、MOS構造などの電子デバイスの基本構造におけるキャリアのふるまいを基礎から理解し、最新の各種半導体デバイスの原理を理解できる基礎学力を養う。

達成目標

1.電子デバイスの基幹材料である半導体の性質について基本的な概念の説明が出来る。
2.電子デバイスの動作原理を電子の振る舞いから理解し、その機能に関する簡単な計算ができる。
3.トランジスタなどの主要な電子デバイスの構造、機能および製造法の概略について説明ができる。

授業計画

1.物質内電子の量子状態
シュレディンガー方程式、バンド理論、有効質量、キャリア統計、不確定性原理
2.半導体の電子・光物性(1)
金属・半導体・絶縁体のエネルギーバンド構造、半導体のキャリア密度、半導体の電気伝導と移動度
3.半導体の電子・光物性(2)
少数キャリア連続の式、光電効果と光伝導セル、バンド構造と電子のポテンシャル、アインシュタインの関係式、自然放出と誘導放出
(Short Test1)
4.pn接合(1)
整流作用、拡散電位、pn接合ダイオード
5.pn接合(2)
空間電荷領域、電流−電圧特性
6.ショットキーダイオード
金属・半導体接触、仕事関数、電子親和力、ショットキーダイオード、整流特性、オーミック接触
(Short Test2)
7.中間試験
第6回までの講義内容を対象とする。
8.バイポーラトランジスタ(1)
構造と動作原理、エミッタ接地回路とベース接地回路
9.バイポーラトランジスタ(2)
基本動作特性、周波数特性、増幅、スイッチング
(レポート課題)
10.p-n-p-n接合デバイスとサイリスタ
pnpn構造、スイッチング・トリガリングの機構、半導体制御整流素子
(Short Test3)
11.MOSトランジスタ(1)
MOSダイオード、MOS電界効果、表面ポテンシャル、空乏層近似による解析、反転しきい値電圧、界面の電子・正孔濃度、C−V特性
12.MOSトランジスタ(2)
現実のMOS構造、MOSトランジスタの構造と動作、しきい値制御、グラジュアルチャネル近似、相互コンダクタンスと遮断周波数
(Short Test4)
13.集積回路素子
LSIの歴史、比例縮小則、ICおよびLSI、CMOS構造とインバータ、メモリ素子
(Short Test5)
14.半導体プロセス技術および評価技術
リソグラフィ、エッチング、絶縁膜、不純物導入、薄膜堆積、ウェハー清浄化、結晶およびウェハー技術、電気的評価、光学的評価、機器分析
15.期末試験
第8回から14回までの講義内容を対象とする。

評価方法と基準

以下の方法により評価する。
達成目標1 Short test 1,2、中間試験
達成目標2 Short test 3,4、中間試験
達成目標3 Short test 5、レポート課題、期末試験

Short Test20%、レポート課題20%、中間試験30%、期末試験30%の配点で評価する。
合計得点が60点以上の場合、合格とする。

教科書・参考書

参考書:電子物性基礎 大場勇治郎、池崎和男、桑野博、松本智共著(電気学会)、
インターユニバーシティ 電子デバイス、梅野正義編著(オーム社)

履修前の準備

電子基礎物理、電子物性論を履修しておくことが望ましい。

学習・教育目標との対応

1.D3:電気工学の専門分野における理論と技術を学び、これら知識を駆使することにより,与えられた課題を解決することができる。

オフィスアワー

相談時間)火曜日5限(16:20)以降(アポイントをとることが望ましい)。電子メールでの質問も受け付ける。
連絡先)居室: 11A32, 電話:内線(8217), 電子メール :nishi@sic.shibaura-it.ac.jp

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:46:50 JST 2013