電気磁気学１及び演習

　良薬、口に苦し。とっつきにくい（口に苦い）学問の典型が電気磁気学であり、その電気磁気現象の恩恵（良薬）は、例えば停電や充電切れの時に、いやと言うほど知らされる。多種多彩な電気磁気現象の全てを説明（良薬）し、新たな製品・機器を創り出す原動力（良薬）にもなっているのが、実は電気磁気学である。
　以上のことを少しでも多く理解することを目的としているのが本授業である。特に通信工学の学習者にとって、回路理論で学んだ静電容量(C)とインダクタンス(L)の理解を、電気磁気学で学ぶＣとＬの理解へと拡張することは非常に重要である。例えば、ＣとＬとで通信の速度（光速）が決まり、通信における情報伝送の担い手は、Ｃに関連する電界Ｅと、Ｌに関連する磁界Ｈであるとの理解へと展開されるからである。
　以上の観点から、本授業では初めに、電気磁気学を学ぶ動機付けに時間を割き、さらに個々の詳細な学習の前に概要を示すことによって、口に苦い良薬を少しでも飲み易いようにする。詳細な学習内容に対しては、枝葉を思い切って取り除き、幹がどこにあってどれだけ太いのかを明確にする。毎回の授業を小テスト（演習）をしながら進めていき、単元ごとに中間テスト（演習）を実施して、着実に電気磁気学を身に着けていく。前期に割り当てられた本科目では、後期で扱うＬの理解に先立って、Ｃの理解に重点を置く。

達成目標

1.	静電容量Ｃの物理的な意味を理解し、具体的な問題におけるＣを算出できる。
2.	電位Ｖの物理的な意味を理解し、具体的な問題におけるＶを算出できる。
3.	電界Ｅの物理的な意味を理解し、具体的な問題におけるＥを算出できる。
4.	次の手順を理解する：電荷(Ｑ)を与えて、電界(Ｅ)を知り、電位(Ｖ)を求める。求めた(Ｖ)と(Ｑ)との間の比例定数が(1/C)。

授業計画

1.	ガイダンス
2.	広義のLとCの重要性
3.	電界と電位　　(1)クーロン力と万有引力
4.	電界と電位　　(2)電位と位置エネルギー
5.	静電容量の基礎１
6.	静電容量の基礎２
7.	静電容量　　(1)平行板伝送線路
8.	中間テスト
9.	静電容量　　(2)同軸伝送線路
10.	静電容量　　(3)平行二線伝送線路
11.	電流１
12.	電流２
13.	静電界と電流の場１
14.	静電界と電流の場２
15.	期末テスト

評価方法と基準

教科書・参考書

（教科書）
　指定せず。各自、自分に合う参考書（下記に一例を示す）で補うこと。
（参考書）
・後藤尚久：電磁気学　入門コース、昭晃堂
・後藤尚久：電磁気学、電子情報通信学会編、コロナ社
・藤田広一：電磁気学ノート、コロナ社
・その他、自分に合う電気磁気学の本。

開講部	工学部
開講学科	通信工学科
開講学年	2年次
開講時期	前期
単位数	4
単位区分	選択必修
系列区分	専門
講義区分	講義

F0031200

授業の概要

達成目標

授業計画

評価方法と基準

教科書・参考書

履修前の準備

オフィスアワー

環境との関連