F0172400

ディジタル信号処理2

Digital Signal Processing 2

開講部

工学部

開講学科

通信工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授柴山秀雄この授業の2005年度のアンケートを参照

授業の概要

 実時間性はますます重要になってきている。信号処理を実行するためにはアルゴリズムが重要であり、それを認識することを強調したい。高速度フーリエ変換はその代表的な例である。周波数分解能を高めたり、目的の処理をするためには、ディジタルフィルタなしには実現できない。各種のディジタルフィルタについての設計法と問題点を理解するように配慮した。加えて、マルチメディアの時代の流れの中で画像処理や多次元信号処理が身に付くように配慮を加えた。マルチメディアへの応用技術であると共に、広範囲な分野において必須な技術であるディジタル信号処理を分かりやすく解説する。そのために、例題、演習、図を豊富に導入し、身に付くように心がける。
 広範囲な分野において適用できるようにアルゴリズム、ディジタルフィルタの設計技術、性質、構成法を述べた。さらに、画像処理や多次元信号処理を加え、ディジタル信号処理が多分野にわたっていることを理解し、その技術を分かりやすく解説する。例題、演習、図を豊富に導入し、全感覚をつかって身に付くように心がける。
多分野で応用できることを達成目標とする。

達成目標

1.システムの解析と設計の基礎を理解する。
2.離散システムをディジタルフィルタを通して理解する。
3.FIRフィルタとIIRフィルタの違いを理解する。

授業計画

1.離散時間信号の解析概論
1.1 サンプリング定理
1.2 周期信号と非周期信号の解析法
2.離散フーリエ変換
2.1 離散フーリエ変換の性質
2.2 無限時間の時系列信号と有限時間の時系列信号の周波数解析法
2.3 周波数解析法の問題点
3.高速度フーリエ変換
3.1 回転因子
3.2 高速度フーリエ変換アルゴリズム
3.3 和と積の演算量
4.窓関数
4.1 窓関数による信号の切り出し
4.2 窓関数と影響
4.3 代表的な窓関数
5.ディジタルフィルタ
5.1 ディジタルフィルタ概要
5.2 アナログフィルタとの比較
6.フィルタの構成
6.1 理想フィルタと実際のフィルタ
6.2 FIRフィルタと IIRフィルタの比較
6.3安定性と次数
7.フィルタの分類
7.1 振幅特性による分類
7.2 位相特性による分類
8.直線位相フィルタ
8.1 群遅延
8.2 直線位相フィルタの必要性
8.3直線位相フィルタの実現化
9.窓関数を用いたFIR フィルタ設計
9.1 低域通過フィルタ
9.2 高域通過フィルタ
9.3 帯域通過フィルタ
9.4帯域阻止フィルタ
10.FIRフィルタの構成法
10.1 FIRフィルタの伝達関数
10.2 直接型構成と転置型構成
11.IIRフィルタの構成法
11.1 IIRフィルタの伝達関数
11.2 直接型構成-1・転置型構成2・転置型構成法
12.相関関数と線形予測
12.1 自己相関関数と相互相関関数
12.2 モデリング
12.3 係数決定法
13.適応信号処理
13.1 最急降下法
13.2 学習同定法
13.3 LMSアルゴリズム
14.ディジタル信号処理のまとめと最近の処理手法の解説
15.定期試験
 授業内容についての試験

評価方法と基準

レポート(20点)+授業内で行う演習(20点)+定期試験(60点)=総合点(100点)の60点以上を合格点とする。

教科書・参考書

荻原将文著 “ディジタル信号処理”(森北出版、東京、2006)
貴家仁志著 “ディジタル信号処理”(昭晃堂、東京、2002)
島田昭冶 他著 “ディジタル信号処理の基礎”(コロナ社、東京、2005)
杉山久佳著 “ディジタル信号処理”(森北出版、東京、2005)

履修前の準備

回路理論1、回路理論2、回路理論3、プログラム言語、ディジタル信号処理1

学習・教育目標との対応

システムの表現方法を習得し、実際のシステムの構成方法を習得する。ディジタル信号処理では、システム推定方法が数多くある。時不変システムに加え、時変システムの考え方を学習し、応用能力を習得できる。

オフィスアワー

授業終了後 30分 柴山研究室(12−Q32)にて

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:47:22 JST 2013