F0350600

マルチメディアシステム工学1

Multimedia Systems Technology 1

開講部

工学部

開講学科

通信工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授上岡英史この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

さまざまな情報通信システムを複合したマルチメディアシステムは,高度の技術を用いた多くの要素技術を統合して成立している.この講義では音と画像を主要な対象とする情報通信システムの技術に重点をおいて,まず人間の感覚の工学的な取り扱いから出発し,基本的な波形伝送システムの系統的な知識,思考方法を説明ながら,ひろく用いられているシステムを解説する.
この講義は2回に分割して開講する科目の前半をなすものである.前半では基礎的な事項,人間の聴覚,音声,視覚の機構,特性及びその定量化方法,基本となるアナログ波形伝送システム技術を解説する.後半ではコンピュータの利用を前提とするデジタルシステム技術,および,トータルシステムの実際を解説する.また,理解を深めるために,講義中数回の演習を行う.受講者は両者を引き続いて受講することを推奨する.

達成目標

1.人間の聴覚,音声,視覚の特性の概要を理解する
2.人間の感覚の定量化方法の概要を理解する
3.ラジオ,電話,テレビジョンのアナログシステム技術を理解する

授業計画

1.マルチメディアシステムとは何か
・「メディア」の考え方,「マルチメディア」の考え方
・人の感覚の知識がこの技術の基盤となる
2.基本となる数学,物理
・dB量,初等関数,ベクトル記号法
・ここで用いる物理量とその単位
3.時間領域と周波数領域
 フーリエ変換とz変換
4.人の生体の持つ機能(1)
・聴覚の機構と性質
・音声の生成機構と性質
5.人の生体の持つ機能(2)
・視覚の機構と性質
・カメラとの対比
6.人間の心理現象の定量化
・いろいろの心理尺度,心理測定法,心理量の定量化法
・精神物理学的測定法
7.聴覚の心理
・音の大きさ,周波数特性,聴覚マスキング,明瞭度
・両耳効果とステレオホニック
(加えて,1.〜7. に関する演習を行う予定)
8.視覚の心理
・明るさ,色覚,変化への対応,視覚マスキング
・運動視,フリッカ耐性
9.音響信号のアナログ伝送
・AM放送
・電話の周波数分割多重伝送,SSB変調
・FM放送,FMステレオ
10.動画像のアナログ伝送
・NTSC方式,同期,走査方式
・色信号の取り扱い
  ・高精細度テレビジョン方式
11.音響信号のアナログ記録
・ステレオホニック録音
・磁気テープ方式,高周波バイアス
12.動画像のアナログ記録
・ビデオカセット方式,回転ヘッドとヘリカルスキャン
・音声のHiFi記録方式
13.ディジタル記録の開発小史
・アナログビデオテープへのディジタル記録からCDへ
14.アナログ方式の再評価
・モデム方式に見るアナログ技術の特徴
(加えて,8.〜14. に関する演習を行う予定)
15.講義のまとめ

評価方法と基準

演習(50%)および課題提出(50%)により評価

教科書・参考書

<教科書>
大賀寿郎 著「マルチメディアシステム工学」, コロナ社
<参考書>
大賀寿郎・山崎芳男・金田豊 著「音響システムとディジタル処理」, 電子情報通信学会
山崎芳男・金田豊 著「音・音場のディジタル処理」, 日本音響学会編, コロナ社
小舘香椎子・柳沼良知・小舘亮之 編著「マルチメディア表現と技術」, 丸善株式会社
常盤繁 著「マルチメディアデータ入門」, コロナ社
松本紳・小高和己 著「マルチメディア ビギナーズテキスト」, 東京電機大学出版局

履修前の準備

回路理論,電子回路の受講

オフィスアワー

火曜日の講義終了後

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:45:46 JST 2012