F0750700

マルチメディアシステム工学2

Multimedia Systems Technology 2

開講部

工学部

開講学科

通信工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授上岡英史この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

マルチメディアシステムの発展にはコンピュータ技術の進歩が大きな役割を果たしている.この講義では音と画像を主要な対象とするシステム技術に重点をおいて,コンピュータ処理を活用したシステムの系統的な知識,思考方法を説明し,さらに実際のマルチメディアシステムの例および将来像について言及する.
本講義は2回に分割して開講する科目の後半をなすものである.前半では基礎的な事項,人間の聴覚,音声,視覚の機構,特性及びその定量化方法,基本となるアナログ,ディジタル波形伝送システム技術を解説し,後半ではコンピュータの利用を前提とするディジタルシステム技術,及びトータルシステムの実際を解説する.また,理解を深めるために,講義中数回の演習を行う.本講義の受講者には,マルチメディアシステム工学1の受講を推奨する.

達成目標

1.CDなどに用いられる線形ディジタルシステム技術を理解する
2.携帯電話、DVDなどに用いられる非線形ディジタルシステム技術を理解する

授業計画

1.音声、音響信号のディジタル化
・アナログシステムとディジタルシステムとの比較
・標本化、量子化、PCM
2.コンパクトディスク(CD)システム
・CDのハードウェア構成
・CDの記録方法、インタリーブ、誤り訂正
3.コンピュータでの音声信号の取り扱い
・Windowsのwavファイル形式
4.電話音声信号のPCM伝送
・時分割多重伝送、圧伸、再生中継
5.画像信号のディジタル化
・空間周波数の概念
・静止画の標本化と量子化、動画像の標本化
6.コンピュータでの画像信号の取り扱い
・ビットマップ表現、ベクトル表現、コード表現
7.PCMを基礎とした種々のA/D、D/A方式
・オーバサンプリング
・ΔΣ変調
(加えて,1.〜7. に関する演習を行う予定)
8.マルチメディア信号処理の基本技術1:時間軸上の処理
・DPCM、ADPCM
・実用システムの例:PHS方式
9.マルチメディア信号処理の基本技術2:周波数軸上の処理
・離散コサイン変換(DFT)
・変形離散コサイン変換(MDFT)
10.信号処理を伴う音響信号のディジタル伝送
・MPEGオーディオ符号化、聴覚マスキングの利用
・品質評価法、オピニオン評価
・実用システムの例:MDの方式
11.音声に特化した信号処理によるディジタル伝送
・CELP、コードブック使用
・品質評価法、オピニオン等価Q値
・実用システムの例:携帯電話方式
12.静止画像のディジタル記録
・エントロピー符号化、2次元離散コサイン変換
・実用システムの例:ディジタルカメラ
13.動画像のディジタル伝送と記録
・動画像のための予測符号化、MPEGビデオ符号化
・地上ディジタルテレビジョン
14.マルチメディアシステムの例
・DVDシステム、CDに比べどこが進歩したのか
・音響システムへの応用:Super Audio CDとDVD Audio
(加えて,8.〜14. に関する演習を行う予定)
15.講義のまとめ

評価方法と基準

演習および課題提出により評価

教科書・参考書

<教科書>
大賀寿郎 著「マルチメディアシステム工学」, コロナ社
<参考書>
大賀寿郎・山崎芳男・金田豊 著「音響システムとディジタル処理」, 電子情報通信学会
山崎芳男・金田豊 著「音・音場のディジタル処理」, 日本音響学会編, コロナ社
小舘香椎子・柳沼良知・小舘亮之 編著「マルチメディア表現と技術」, 丸善株式会社
常盤繁 著「マルチメディアデータ入門」, コロナ社
松本紳・小高和己 著「マルチメディア ビギナーズテキスト」, 東京電機大学出版局

履修前の準備

回路理論,電子回路,マルチメディアシステム工学1の受講

オフィスアワー

火曜日の講義終了後

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:47:23 JST 2013