F0840600

生体情報工学

Information Engineering on Living Body

開講部

工学部

開講学科

通信工学科

開講学年

4年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授齋藤敦史

授業の概要

生体では、外界からの多くの情報を“五感”と呼ばれるセンサ(感覚器)を駆使して獲得し、それらの情報を適確に処理して状況の把握や次の行動の決定を行っている。こうした生体における情報取得−情報処理を工学的に模倣するという試みは多い。この試みによって、従来では不可能だった情報処理が可能となりはじめている。特に、非線形現象に関しては、現象を解析するにあたり、現象のモデル化、数式化が必要であるが、これらが正確でない場合には従来の方法では解析が困難である。こうした場合にも適用できるような情報処理技術として人工ニューラルネットワーク、ファジー理論、遺伝的アルゴリズムといった生体の持つ機能を模倣した方法が用いられるようになってきた。ここでは、これらの基礎を学ぶとともにその応用方法について紹介していく。

達成目標

1.人工ニューラルネットワーク、ファジー理論、および遺伝的アルゴリズムの特徴を理解する。
2.人工ニューラルネットワーク、ファジー理論、および遺伝的アルゴリズムを実際問題に応用できる。

授業計画

1.本講義の概要
2.生体における情報取得−情報処理の流れ
(感覚器から脳への情報の流れ)
3.生体におけるセンサとその工学的模倣1
(物理感覚器,視覚・聴覚・触覚)
4.生体におけるセンサとその工学的模倣2
(化学感覚器,味覚・嗅覚)
5.生体における情報処理・記憶の工学的模倣1
(人工ニューラルネットワーク概要)
6.生体における情報処理・記憶の工学的模倣2
(連想記憶,ホップフィールドネット)
7.生体における情報処理・記憶の工学的模倣3
(パズル解き,ボルツマンマシン)
8.生体における情報処理・記憶の工学的模倣4
(パターン認識,バックプロパゲーション)
9.生体における情報処理・記憶の工学的模倣6
(特徴抽出,自己組織化マップ)
10.計算機を使った人工ニューラルネットワーク処理の演習
(ソフトウェアを利用した体験実験)
11.生物の進化過程の工学への応用1
(遺伝的アルゴリズムの概要)
12.生物の進化過程の工学への応用2
(遺伝的アルゴリズム,ソートへの応用,関数の最大値抽出への応用)
13.計算機を使った遺伝的アルゴリズム処理の演習
(ソフトウェアを利用した体験実験)
14.生体の感覚表現の工学への応用1
(ファジー理論の概要)
15.・生体の感覚表現の工学への応用2
(ファジー理論,快適空間の条件設定への応用などの紹介)
・計算機を使ったファジー処理に関する演習

評価方法と基準

・講義中に与えるレポート(3回.100%)
(3回中2回は達成目標1の評価に、1回を達成目標2の評価に用いる)

教科書・参考書

萩原 将文 著,“ニューロ・ファジー・遺伝的アルゴリズム”,産業図書 その他、国内外共に多数あり

履修前の準備

微分積分学,線形代数

オフィスアワー

講義終了後

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:45:49 JST 2012