F0611100

宇宙通信工学

Space Communications Technology

開講部

工学部

開講学科

通信工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
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授業の概要

宇宙通信システムは、電磁気学、力学に物理的基礎をおく応用システムであり、これらの基礎科目の応用事例を見ることができると同時に、宇宙を舞台にした最先端の通信技術を例にした大規模システムの働く仕組みが理解できる好例といえる。
この講義では、天体力学、電波伝搬、通信方式など、人工衛星システムや我々の身近にある衛星通信・放送システムの働く原理の理解に必要な基礎知識を入門的レベルから解説する。特に近年、進展の目覚ましいディジタル通信・放送技術に重点を置き、BSディジタル放送の仕組みなど、最新の衛星通信・放送システムの理解を最終的な目標とする。また、人類の将来の宇宙活動に備えて、衛星通信・放送システム(衛星を介した地球上の複数点間の通信)だけでなく、月?地球間通信、深宇宙通信技術など、広く宇宙通信システムについて紹介する。

達成目標

1.地球周辺の宇宙に関する理解を深め、衛星通信・放送の原理として宇宙通信の概要及び静止軌道などの衛星軌道の原理を理解する。
(授業計画の2〜4に対応)
2.宇宙通信の通信品質の求め方を理解する。
(授業計画の5〜7に対応)
3.ディジタル衛星通信・放送の理解のためにディジタル通信・蓄積システムの構成要素を理解する。(授業計画の8〜9に対応)
4.宇宙通信に関する電波、光の伝わり方の原理を理解する。
(授業計画の10に対応)
5.ディジタル宇宙通信システムの具体的なシステム概要をいくつか理解する。
(授業計画の11〜15に対応)

授業計画

1.宇宙通信概要 1
  ・講義の内容の紹介
  ・遠距離通信のルーツと電気通信の誕生
2.宇宙通信概要 2
  ・宇宙の環境
  ・宇宙通信と衛星通信
3.宇宙通信概要 3
  ・宇宙通信のルーツ
  ・衛星通信の特徴
4.宇宙通信システムの要素技術
  ・衛星の軌道とロケット技術
  ・宇宙通信に使われる電波とその伝わり方
5.宇宙通信システムの回線設計 1
  ・アンテナと自由空間損失
  ・雑音と信号の戦い
6.宇宙通信システムの回線設計 2
  ・回線品質の基準
  ・回線設計の事例
7.衛星技術と地球局技術
  ・衛星の構成と中継器の性質
  ・地球局の構成と性能
8.ディジタル衛星通信・放送の理解のために 1
  ・アナログとディジタル
  ・情報源符号化と伝送路符号化
9.ディジタル衛星通信・放送の理解のために 2
  ・ディジタル変調と符号化変調
  ・周波数利用効率とビット誤り特性
10.ディジタル衛星通信・放送の理解のために 3
  ・固定衛星通信と電波伝搬
  ・移動体衛星通信と電波伝搬
11.宇宙通信システムの事例 1
  ・ディジタル衛星通信とパケット衛星通信
12.宇宙通信システムの事例 2
  ・ディジタル衛星放送システム(1)
13.宇宙通信システムの事例 3
  ・ディジタル衛星放送システム(2)
14.宇宙通信システムの事例 4
  ・深宇宙通信システム、光宇宙通信システムなど
15.宇宙通信システムの将来展望
  ・人類の宇宙への活動領域拡大にともなう通信インフラなど

評価方法と基準

出席状況と複数回のレポートにより評価する。

教科書・参考書

教科書は使用しない。宇宙通信・放送の最新の技術動向を例にして、ディジタル通信・放送システムの原理を基礎から解説する。

履修前の準備

入門として予備知識がなくとも理解できるようにこころがけるが、基礎的な数学(三角関数、等)とフーリエ変換の理解が望ましい。

オフィスアワー

非常勤のため、HPによる情報提供とメイルによる情報交換

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:47:28 JST 2013