G0190400

電子物性工学2

Solid-State Physics Engineering 2

開講部

工学部

開講学科

電子工学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授山口正樹この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 現代の私たちの生活は,エレクトロニクス抜きに語ることができません.身の回りのすべての物質は,原子が結合することで形成されていますが,この結合の担い手が電子であり,それぞれの物質の性質を決めています.
 電子物性工学は,エレクトロニクスの分野において,物質の持つさまざまな性質がどのように利用されているかを学ぶもので,近年急速に進歩している電子機器や電子デバイスの動作について理解する上で,欠かすことができません.
 そこで本講義では,結晶構造・化学結合,固体中の電子の振る舞いなどの基礎的な内容について,半導体などの電子材料を例に挙げながら,説明していきます.

達成目標

1.結晶構造の基礎,結晶中の波の回折,格子振動,化学結合について説明できる.(授業計画1〜7)
2.固体中の電子の振る舞い,および固体の帯理論について理解できる.(授業計画9〜14)

授業計画

1.結晶構造(1)
 結晶格子,Miller指数,格子定数
2.結晶構造(2)
 逆格子,結晶の対称性
3.結晶構造(3)
 原子の稠密充填,各種結晶構造
4.結晶による波の回折
 Bragg回折,X線回折による結晶構造解析,中性子線回折,電子線回折
5.結晶中の格子振動
 フォノン,光学分岐・音響分岐
6.化学結合(1)
 原子間力,結合・解離エネルギー
7.化学結合(2)
 イオン結合,共有結合,金属結合,van der Waals力,水素結合
8.中間試験(項目1〜項目7,ウエイト;1〜3:50%,4〜7:50%)
 教科書・参考書・自筆ノート参照可,電卓使用可
9.固体中の電子(1)
 金属の自由電子,オームの法則,自由電子の比熱と常磁性
10.固体中の電子(2)
 熱電子放出,光電効果,電界放出
11.固体の帯理論(1)
 エネルギーバンド,Bloch近似
12.固体の帯理論(2)
 Brillouin帯域
13.固体の帯理論(3)
 電子の速度と有効質量
14.固体の帯理論(4)
 電気伝導,金属・半導体・絶縁体の帯構造
15.期末試験(項目9〜項目14,ウエイト;9〜10:40%,11〜14:60%)
 教科書・参考書・自筆ノート参照可、電卓使用可

評価方法と基準

達成目標1は中間試験,達成目標2は期末試験でそれぞれ評価する.
科目の合否は,講義時の小テスト,中間試験,期末試験の合計得点率で評価し,合計得点率が60%以上を合格とする.

教科書・参考書

【教科書】
電子物性の基礎とその応用(コロナ社,下村武 著)

【参考書】
電子通信大学講座6 電子物性工学(コロナ社,青木昌治 著)
キッテル固体物理学入門(上・下)第7版(丸善,宇野良清ほか 訳)
物性工学の基礎(朝倉書店,田中哲郎 著)

履修前の準備

数学,物理,電磁気学,電子物性工学1を履修していることが望ましい.

オフィスアワー

授業の前後,講師室にて

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:46:07 JST 2012