G0590500

量子力学

Quantum Mechanics

開講部

工学部

開講学科

電子工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
講師鵜飼武この授業の2007年度のアンケートを参照

授業の概要

 量子論の起源は、プランクが1900年に発表した「放射(輻射)」に関する量子仮説である。アインシュタインはこれにヒントを得て1905年に、光(電磁波)を量子(光量子)の集まりであると考えることによって、「光電効果」が説明できることを示した。
 その後1924年、ドゥ・ブローィは、光のもつ二重性を電子等のミクロな粒子に拡張することを提唱した。この波動性を示す電子の振る舞いを記述する方程式は、1926年に、シュレディンガーにより見出された。
 このようにして構築された量子力学は、微視的な粒子、特に電子に適用されて輝かしい成功を収め、原子、分子、固体の結晶などが示す諸性質を解明しつつ、その後80年以上に亘って発展・応用され、今では電子工学の重要な基礎を担っている。この講義では下記の授業計画にしたがい、「電子物性工学」で学習した量子力学の裏付けを行いながら、量子論の基礎的な事柄を中心に、できるだけ体系的に解説していく。

達成目標

1.電子の波動性について理解が深まる。
2.トンネル効果について理解が深まる。
3.水素原子に対するシュレディンガーの方程式の解について説明できる。

授業計画

1.量子力学の誕生
2.量子論の考え方(不確定性原理,波動関数の意味)
3.シュレディンガーの波動方程式
4.定常状態の波動関数(調和振動子)
5.定常状態の波動関数(水素原子 -1-)
6.定常状態の波動関数(水素原子 -2-)
7.波動関数の性質(物理量の期待値,不確定性原理)
8.ゼーマン効果とスピンの存在
9.多粒子系のシュレディンガー方程式
10.原子構造と元素の周期律
11.水素分子
12.固体と自由電子モデル
13.エネルギーバンド
14.光の吸収と放出
15.定期試験(問題の解説)

評価方法と基準

リポート(いづれかの授業で2回出題)30%,試験70%を100点とし,総合得点60点以上を合格とする.なお,評価を受けるためには,授業日数の2/3以上の出席が必要である.

教科書・参考書

教科書:小出昭一郎著「量子論」(裳華房)
参考書:たとえば小出昭一郎著「量子力学1」(裳華房),原島 鮮著「初頭量子力学」(裳華房),岸野正剛 著「量子力学 -基礎と物性-」(裳華房)など。

履修前の準備

物理学,微積分,電磁気学,電子物性工学等を履修しておくことが望ましい。

オフィスアワー

授業終了後(30分)、教室または講師室にて.

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:47:47 JST 2013