G0705900

ディジタル信号処理

Digital Signal Processing

開講部

工学部

開講学科

電子工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授南正輝この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

音声や動画像をコンピュータシステムに取り込み、それらを自由自在に加工して、有線・無線ネットワークを介してやり取りできるようになった今日の情報通信技術の発展の背景には、アナログ信号をディジタル化して処理するディジタル信号処理技術が寄与した部分が大きい。ディジタル信号技術は音声・画像処理への応用だけでなく、携帯電話等の変復調回路への応用など、その適用分野は極めて広い。本講義ではディジタル信号処理技術の重要な概念の理解を目的とし、アナログシステムとの対比を行いながら、基礎理論を中心に説明を行っていく。

達成目標

1.信号処理の概念の理解(授業計画1〜3に対応)
2.フーリエ変換とラプラス変換の違いと物理的な意味の理解(授業計画4〜5に対応)
3.連続時間領域と離散時間領域での信号処理の本質的な相違点の理解(授業計画6〜9に対応)
4.FIRおよびIIRディジタルフィルタの特徴と設計方法の理解(授業計画10〜13に対応)

授業計画

1.ディジタル信号処理入門
  ・信号処理の考え方
  ・信号処理の応用分野
2.アナログ信号の種類と表現(1)
  ・代表的な信号の例
  ・信号の演算
  ・例題
3.アナログ信号の種類と表現(2)
  ・デルタ関数
  ・相関関数の考え方
  ・例題
4.アナログ信号の周波数領域表現
  ・フーリエ級数
  ・フーリエ変換の導出
  ・フーリエ変換の諸性質
  ・例題
5.アナログシステムの表現と分析
  ・線形時不変システム
  ・ラプラス変換
  ・畳み込み積分とインパルス応答
  ・インパルス応答と微分方程式
  ・伝達関数とシステム関数
  ・システムの安定性
  ・例題
6.離散時間信号の種類と表現
  ・サンプリングの数学的表現
  ・エイリアシング誤差
  ・サンプリング定理とナイキスト周波数
  ・例題
7.離散フーリエ変換
  ・離散時間と離散周波数
  ・離散フーリエ変換の導出
  ・例題
8.高速フーリエ変換
  ・計算量とアルゴリズム
  ・離散フーリエ変換の計算量
  ・高速フーリエ変換のアルゴリズムとその計算量
  ・例題
9.離散時間システムとZ変換
  ・Z変換の導出
  ・Z変換の諸性質
  ・インパルス応答と差分方程式
  ・伝達関数とシステム関数
  ・システムの安定性
  ・例題
10.FIRシステムとIIRシステム
  ・FIRシステムの構成と特徴
  ・IIRシステムの構成と特徴
  ・FIR/IIRシステムの伝達関数
  ・例題
11.アナログフィルタ
  ・フィルタ回路入門
  ・アナログフィルタの分類
  ・周波数特性と位相特性
  ・基準ローパスフィルタと周波数変換
  ・例題
12.ディジタルフィルタ(1)
  ・FIRディジタルフィルタの設計法
  ・窓関数法によるFIRフィルタの設計
  ・例題
13.ディジタルフィルタ(2)
  ・IIRディジタルフィルタの設計法
  ・S-Z変換を用いたIIRフィルタの設計
  ・例題
14.アダプティブフィルタ入門(1)
  ・信号推定問題と応用分野
  ・適応フィルタの考え方
15.適応フィルタ入門(2)
  ・各種適応推定アルゴリズム

評価方法と基準

ホームワーク50点,簡単なコンピュータシミュレーションを含む期末レポート課題50点,計100点とし,60点以上で単位認定する.ホームワークは進捗状況に応じてほぼ毎回出題.なお,出席率が70%を下回る場合には単位認定しない.

教科書・参考書

教科書:辻井重夫・久保田一共著「わかりやすいディジタル信号処理」,オーム社, ISBN4-274-12939-X
参考書:辻井重夫監修「ディジタル信号処理の基礎」,電子情報通信学会,ISBN4-88552-068-1
配付資料:あり.毎回の授業開始時に配布.

履修前の準備

回路理論,制御理論,および過渡現象論に関する基礎知識があると理解しやすい.

オフィスアワー

質問等は講義中・講義後に受け付ける.研究室での対応には電子メールであらかじめコンタクトが必要.

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:46:20 JST 2012