H0600000

都市防災工学

Urban Disaster Mitigation Engineering

開講部

工学部

開講学科

土木工学科

開講学年

1年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
講師大野春雄この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

都市型災害の特徴は,災害の複合性,被害の多様性,被害の影響波及などがあげられる。特に地震によるライフラインの都市機能の停止は都市活動に与える影響は大きい。本講義では,自然災害のなかの地震災害に着目し,平成7年1月17日に発生した兵庫県南部地震の被害をはじめとし,平成16年10月23日の新潟県中越地震,12月26日のスマトラ地震による津波被害,新潟県中越沖地震,中国四川大地震,岩手・宮城内陸地震など,最近の世界各地の大規模地震被害の状況を確認する。土木・建築構造物・都市施設の被害の形態と災害に対する行政の対応などについて,市民工学的観点から地震防災対策の見直しと強化について方向を見極める。また,新しい分野である地震リスクの評価方法に関するリスクマネジメントについても理解する。

達成目標

1.自然災害の発生メカニズムの理解とその被害状況を把握する。
2.都市域における災害に対する脆弱性を確認し,減災のための対策方法を理解する。
3.災害情報の共有化の実態を把握し,共有化をサポートする災害情報システムの現状を理解する。
4.災害リスクを回避するためのリスクマネジメントの考え方を理解し,リスクの低減方法を見出す。さらに、最近話題になっている事業継続計画(BCP)の必要性についても示す。

授業計画

1.災害とは
  ・災害の分類
  ・災害の発生状況
2.災害構造と防災の原理
  ・災害の構造と被害の評価
  ・防災の原理,戦術,戦略
  ・災害と情報
  ・災害情報と危機管理
  ・災害時の情報収集システム
3.巨大災害の破壊力
  ・地震災害
  ・風水害
  ・その他の災害
4.土木構造物が壊れる(鉄道の被害と復旧)
  ・新幹線,在来線
  ・私鉄,新交通システム
5.土木構造物が壊れる(道路の被害と復旧)
  ・高速道路
  ・一般道路
6.土木構造物が壊れる(港湾の被害と復旧)
  ・港湾,岸壁
  ・人工島,液状化
7.ライフラインが壊れる
  ・上水道システム
  ・電力,通信システム
8.ライフラインが壊れる
  ・都市ガスシステム
  ・交通,下水道システム
9.システムの信頼性解析
  ・システムのモデル化
  ・システムの機能評価
10.ライフラインのモニタリング
  ・地震動モニタリング
  ・被害把握モニタリング
11.都市が壊れる
  ・火災,土砂崩れ,津波等
  ・都市の脆弱性
12.都市が壊れる
  ・生活・経済が壊れる
  ・都市の復興
13.事業継続計画(BCP)
   ・事業継続計画(BCP)とは
   ・BCPの必要性
   ・BCP事例
14.災害情報の共有化の現状と課題
  ・共有化しなければならない災害情報
  ・災害情報システムの現状
  ・地域防災計画:地方自治体の取り組み
15.地震リスクマネジメント手法
  ・地震リスクとは
  ・地震リスクマネジメントの事例
  ・事業継続計画(BCP)の必要性

評価方法と基準

学期末試験時テスト60%,レポート40%(授業で2回提出)

教科書・参考書

教科書:「ものの壊れ方-巨大災害の破壊力-」,大野春雄他著,日本理工出版会(平成20年4月刊)

履修前の準備

特になし

オフィスアワー

授業終了後,講師室にて対応
Eメールで質問を受け付け

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合30%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:48:13 JST 2013