H0211600

水理学1

Hydraulics 1

開講部

工学部

開講学科

土木工学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授菅和利この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

[授業の概要と目的]
流速,水深の変化など流れの性質を決めている自然の法則を数学的に見直し,河川構造物を設計する際の基礎資料となる水位の高さ,流量,流速などはどのような要素によって決定されるのかを取り扱う。また、エネルギー、運動量保存則を用いて局所的な流れの性質と水面形の基礎を講義する。流れの力学,水理学は何に利用できるのかを頭に置きながら,具体的な現象,構造物との関わりで講義を行なう。
 「流れの力学」で学んだ,力学的な釣り合い,法則などが実際の流れを取り扱う場合にどのように応用できるのかを理解するために、演習もふんだんに取り入れます。
[到達目標]
 抵抗の表現の仕方と平均流速公式、流量算定の仕方はすべての基礎になるので十分に理解させる。また、比エネルギーと限界水深、比力則と物体に及ぼす力、断面変化部での水面変化など具体的な問題の計算ができる能力を育成する。また、不等流の水面形の内一様断面の簡単な場合での水面形が計算出来るようにする。

達成目標

1.河川での流速分布則とそれを用いた流量計算の手法を理解する。
(授業計画の1〜3に対応)
2.平均流速公式の意味と応用方法を理解する。
(授業計画の4〜5に対応)
3.流れの性質、流れの分類とそれぞれの取り扱い方を理解する。
(授業計画の6〜7に対応)
4.開水路急変部での流れを比エネルギーと比力則で理解する。
(授業計画の8〜12に対応)
5.一様断面の水面形の簡単な計算が出来る
(授業計画の13〜14に対応)

授業計画

1.抵抗を構成する水理量
(抵抗を表す抵抗係数、マニングの粗度係数、摩擦速度など)
2.流れの性質
(層流と乱流、Reynolds数、Froude数、常流,射流、限界水深)
3.流速の対数分布則
(Reynolds応力と混合距離、対数分布則、相当粗度、粘性底層)
               課題1 対数分布則を理解するためにグラフ作成
4.対数分布則から平均流速公式を導く
(水理学的滑面、粗面、対数分布則の積分、平均流速公式、流量の測定方法)
5.経験的な平均流速公式
(対数分布則と平均流速公式、Manning,Chezyの公式、Manningの粗度係数)
               課題2 断面分割での流量計算
6.流れの分類
(定常流、非定常流、等流、不等流、Manning式と等流水深、エネルギー勾配)
7.比エネルギー則
(Bernoulliの定理と比エネルギー、限界水深の定義)
8.局所的な流れ(比エネルギー)
(水路床の変化と水深変化、水路幅の変化と水面形)
9.限界水深と支配断面
(堰を越える流れ、フルード数と常流・射流)
      Short Test 1を実施
10.開水路急変部の流れ(1)
(運動量の保存則と比力則、跳水現象と共役水深、比エネルギー図と比力図)
11.開水路急変部の流れ(2)
(跳水現象とエネルギー損失、副ダム、比力差とゲートにかかる圧力)
12.比力と比エネルギーの総合演習
(ゲートからの流出流量、堰を越える流量、ゲートに働く圧力、跳水現象と共役水深、エネルギー損失、副ダム高さ)
                              Short Test 2を実施
13.開水路漸変流の水面形の基礎式
(エネルギー保存則と水面形)
14.一様幅水路の水面形の計算
(支配断面、限界水深、堰を超える水深、流量)
                     課題3 下流の堰高を変えた水面形の計算
15.定期試験
 自筆のノート参照、電卓使用のこと

評価方法と基準

達成目標1は課題1の提出で行う。達成目標2は課題2で評価を行う。達成目標3はShort Test1で、達成目標4はShort Test2で評価を行う。達成目標5は課題3で評価を行う。
 科目の評価は授業時間外の課題3回、授業時間中の演習、Short Test2回と期末試験で評価する。
(課題提出3回をそれぞれ30点、Short Test2回をそれぞれ20点、期末試験を50点の合計180点の60%以上を合格とする)
(再履修者においても、授業に出席を原則とし、課題提出、試験のみでは評価しない)

教科書・参考書

菅 和利著「水理学演習ノート」(日本理工出版会)
大西外明 水理学1,2(森北出版)

履修前の準備

電卓、エクセルが使えるようになっておく(授業では必ず電卓を持参すること)。
「流れの力学」をよく復習しておくこと。

学習・教育目標との対応

実際の流れを考えて、河川計画、河川構造物の設計に利用する能力の習得を目標とする。ステップ毎に理解するために演習を多用するので、授業時間内に各人が実際の計算を行うようにする。計算が出来ないと次のステップに進めないので、課題提出を重視する。

オフィスアワー

月曜日の授業時間前の休み時間に専門講師室にて。また、メールでの質問も歓迎である。

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:48:23 JST 2013