J0040500

建築史

History of Architecture

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授藤澤彰この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 本講義の主要な対象は西欧の建築である。諸外国の建築の歴史と文化を学ぶ目的は二つある。第一に、民族と信仰を異にする各国の建築そのものを学ぶことにより、相互理解の端緒とすること。第二に、自国の建築文化を相対化し、自分たちがよって立つ建築をより深く理解すること、である。周知のように我国の近代化は西欧諸国に範をもとめ、追いつき、追い越すことを目標に進んだ。したがって、その延長線上にある現代日本の建築文化は、考えようによっては、西欧の建築史、建築文化に直結するともいえる。歴史を学ぶことは、あくまでも今日的課題であり、それは我々が当面しているさまざまな問題を解明するための有力な糸口となりうる。講義においては、建築空間の発生と発展の史的過程を概説し、建築の全体構成、形式、技法の変遷などを講述するとともに、とくに建築と社会、建築と宗教の関係に着目して考察する。

達成目標

1.西欧諸国の建築文化について理解を深める。
2.自国の建築文化を相対化し、理解を深める。

授業計画

1.テーマの提示
  ・いろいろな空間
  ・伝統的構造材料と構法
2.古代西アジアの建築
  ・古代西アジアの都市、神殿、住宅
3.古代エジプトの建築
  ・古代エジプトの葬祭施設
  ・ピラミッドと神殿
4.古代ギリシャの建築
  ・アクロポリスとアゴラ
  ・ギリシャ神殿の造形とオーダー
  ・都市と公共建築
5.古代ローマの建築
  ・世界の首都としての建築と土木
  ・大空間の創造
  ・アーチ、トンネルヴォールト、ドーム
  ・宮殿、公共建築、住宅
6.初期キリスト教建築とビザンティン建築
  ・キリスト教の公認とキリスト教建築の出現
  ・バシリカ式と集中式の教会堂
  ・コンスタンティノポリス遷都とビザンティン建築
  ・ハギアソフィアとラヴェンナの建築
7.ロマネスク建築
  ・石の造形
  ・ロマネスク建築の特色
  ・修道院の建築、巡礼路教会堂
  ・ドイツ、フランス、イタリアのロマネスク建築
8.ゴシック建築
  ・光の造形
  ・ゴシック建築の出現
  ・ゴシック建築の特色
  ・フランス、イギリス、ドイツ、スペイン、イタリアのゴシック建築
9.建築技術の発展、ロマネスクからゴシックへ
  ・石の壁から光の壁へ
  ・高さの追求
  ・構造技術の発達と意匠の変容
10.ルネサンス建築(1)初期ルネサンス
  ・三つの変革(ルネサンス、大航海時代、宗教改革)
  ・ルネサンス建築の出現
  ・ルネサンス建築の特色
  ・フィレンツェの建築
  ・建築家の誕生、ブルネレスキ、アルベルティ
11.ルネサンス建築(2)盛期ルネサンス
  ・反宗教改革とルネサンス建築
  ・サンピエトロ寺院の再建
  ・ブラマンテ、ラファエロ
12.マニエリスム建築
  ・ルネサンス古典主義の超克
  ・マニエリスムの位置付け
  ・ミケランジェロ、ジュリオ・ロマーノ、パッラディオ
13.バロック建築
  ・劇的空間の追及
  ・反宗教改革とカトリックの勝利
  ・ローマ教皇の建築
  ・バロック建築の特色
  ・ベルニーニ、ボルロミーニ
14.17世紀、18世紀のフランス、ドイツ、イギリス、スペインの建築
  ・フランスのバロック建築とロココ様式
  ・ドイツのバロック建築とロココ様式
  ・イギリスのバロック建築とパラディアニズム
  ・スペインのバロック建築
15.期末試験

評価方法と基準

授業中に行なう小レポート・小テスト(抜き打ち、回数未定)、課題(日本に現存する近代洋風建築のレポートとスケッチ)、期末試験による。

教科書・参考書

『西洋建築史図集』(日本建築学会編、彰国社)

履修前の準備

歴史・民俗・文学など文化一般についての読書

オフィスアワー

大宮校舎では授業終了後、講師室にて。芝浦校舎では研究室在室中、時間のあるとき。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:48:42 JST 2013