J0260900

地域デザイン論

Theory of Urban Design

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授志村秀明この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 現在、地域デザインと都市計画の分野では、都市論・都市計画論といった根幹となる理論が劇的に変化しつつあります。欧米から世界中に広まった近代都市計画思潮と制度は、必ずしも全ての地域に暮らす人々を幸福にするものではありませんでした。便利さ快適さを実現したものの、地域に息づいてきた大切な生活空間と文化を数多く破壊してきたのです。新しい都市計画理論の構築には、地域に暮らす市民の立場から構想し、市民の自発的な活動といった新しい社会的な動きを取り入れて考えていく必要があります。
 この「地域デザイン論」では、基本となる近代都市計画思潮と現在の都市計画制度を学びつつも、都市計画理論の近年の動向と市民参加の手法をしっかりと学んでいきます。「街並み景観の形成」「歴史的資源の再生」「環境共生のまちづくり」「都市交通とコンパクトシティ」といった近年注目されているテーマに沿っても解説していきます。

達成目標

1.地域の歴史的文脈を解読する姿勢を身につける。
2.地域デザインの理論を理解する。
3.地域デザインの手法を理解する。
4.地域デザインのテーマを知る。
5.地域デザインの実践について具体的にイメージする。

授業計画

1.地域デザイン概論
 ・地域デザインとは?
 ・地域デザイン(まちづくり)の現在
 ・地域デザインの課題・目標
2.近代都市計画思潮の系譜、近代都市計画の成立
 ・欧米の都市計画思潮
 ・欧米の都市計画制度の成立過程
3.日本における近世までの都市づくり、日本における近代都市計画の変遷
 ・都市計画制度の成立過程
 ・東京の都市計画
4.都市計画理論の近年の動向・取り組み
 ・欧米での研究
 ・日本での導入
 ・新しい試み
5.まちづくりの制度
 ・都市計画制度、国土利用
 ・マスタープラン
 ・まちづくりのルール
6.都市デザインのプロセス、まちづくりの計画単位・組み立て
 ・調査・分析の手法
 ・都市のスケールと密度
7.市民参加のまちづくり
 ・市民参加のはじまり
 ・まちづくり協議会
 ・NPO
8.まちづくりワークショップの手法
 ・デザインゲーム
 ・ファシリテーション
 ・環境シミュレーション
9.環境との共生
 ・緑と都市のオープンスペース
 ・水系・河川
 ・エコポリス
10.景観形成・風景計画
 ・歴史的街並み
 ・歴史的資源の再生
 ・タイポロジー
11.街路計画と都市交通計画
 ・道路とサーキュレーション
 ・交通計画の課題・方法
 ・バリアフリー
12.既成市街地と密集市街地の計画
 ・木造密集市街地
 ・防災
 ・地域コミュニティ
13.国土形成計画、中心市街地の再生、中山間地区の魅力づくり
 ・国土計画
 ・地方都市の中心市街地
 ・村おこし
14.海外における都心再生の取り組み
 ・環境対策、景観形成
 ・都市再生
 ・ニューアーバニズム
15.定期試験

評価方法と基準

定期試験(70点)、レポート(30点)、講義出席による

教科書・参考書

まちづくり教科書 第1巻 まちづくりの方法(丸善、日本建築学会編)
まちづくり教科書 第3巻 参加による公共施設のデザイン(丸善、日本建築学会編)
都市計画教科書(彰国社、都市計画教育研究会編)
まちづくりキーワード事典(学芸出版社)

履修前の準備

建築ゼミナール1に参加していることが望ましい。

オフィスアワー

毎週水曜日午前中

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合40%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:47:25 JST 2012