建築家職能論 |
Theory of Architects Profession |
開講部 | 工学部 |
開講学科 | 建築学科 |
開講学年 | 4年次 |
開講時期 | 前期 |
単位数 | 2 |
単位区分 | 選択 |
系列区分 | 専門 |
講義区分 | 講義 |
講師 | 河野進 |
1. | 建築設計および建築生産を取り巻く多様な資格者と其の課題について認識を深める。 |
2. | 建築の有する社会性、公共性について理解し、併せてそれに携わる専門家の役割と責任及び倫理について学ぶ。 |
3. | 建築や都市を取り巻く自然環境や景観の重要性を理解し、その保全の為の方策について学ぶ。 |
4. | 国際的な課題である、地球温暖化問題に与える建築生産の影響と責任の重さ、及びその対策に付いて学ぶ。 |
5. | 時代を代表する建築家達の、建築を巡る多様な言説を理解する。 |
1. | 建築家職能論の意味と意義 ・職能(プロフェッション)とは ・建築生産全体を支える多様な専門家・技術者の役割 ・建築家職能論の歴史的変遷 |
2. | 建築とは・建築家とは ・建築と建物・・ArchitectureとBuilding ・建築家と資格 ・職業選択の自由と業務独占 ・前川國男 |
3. | 日本の建設産業の特性 ・GDP(国内総生産)に占める建設投資割合の大きさ ・建築生産の縮小傾向と業務領域の多様化 ・建設コストの不透明性とCM、PMなどの新しい動き ・丹下健三 |
4. | 日本の建築家職能史 ・建築家前史・・建築家なしの建築(民家、社寺、城郭) ・明治以後の近代化過程・・文明開化 ・辰野金吾 |
5. | 建築士法の成立 ・戦災復旧の緊急性と技術者法的な性格 ・伝統的な建築生産システムの温存 ・耐震偽装事件を契機に行われた建築士法改正の問題点 ・内藤廣 |
6. | 建築基準法の成立 ・建築物の性能、品質の確保…ヒトの法とモノの法 ・民間確認制度の導入と問題点 ・耐震偽装事件を契機とする建築基準法の改正と混乱 ・大谷幸夫 |
7. | 建築家・建築技術者の倫理 ・プロフェッションと職業倫理 ・JIA(日本建築家協会)およびUIAの倫理規定、行動規範 ・設計料入札問題 ・内井昭蔵 |
8. | 建築と都市 ・多様な都市論と70年代 ・アーバンデザインの不在と日本の街並み ・土地の私有制度と都市計画の不在 ・磯崎新 |
9. | 姉葉事件とその後 ・建築生産システム全体の見直し ・設計施工一貫とデザインビルド ・CMと価格の透明性 ・鬼頭梓 |
10. | 都市景観をめぐる動き ・景観基本法の制定 ・高層マンションを中心にした景観を巡る地域紛争の多発 ・景観条例、地区協定など各種法制と住民主体の街づくり ・司馬遼太郎 |
11. | 参加型家作り、まちづくり ・コーポラテイブ方式(参加型)による家・街づくり ・市民とまちづくり・・NPO ・コミュニテイーアーキテクト ・三井所清典 |
12. | 建築、街並みの保存と再生 ・建築、街並みを残すことの意味。「記憶の保存装置」としての建築。 ・「保存」の概念の変化・・サステイナブルな社会の構築 ・近代建築の保存、ドコモモ ・伊東豊雄 |
13. | 環境建築論 ・地球温暖化問題と建設産業・・地球温暖化とCO2規制 ・サスティナブルとデュラブル ・環境配慮契約法の成立 ・野沢正光 |
14. | 新しい建築資格制度 ・建築を巡る専門家資格の将来像 ・建築系卒業生の進路の変化と社会情勢 ・新しい建築家資格制度・・国際比較とUIAアコード |
15. | 期末試験 ・プリント、参考書参照可 |
・ | 授業終了後教室あるいは講師室にて |